「母が先日介護認定をうけました。これまで介護といわれても、他人事としてとらえていました。でも親っていつまでも元気ではいてくれないんですね」と語るのは、安達祐実(33)の母・有里さん(57)。有里さんの母・キヨさん(84)が現在、介護状態にあるというのだ。
「母が13年に受けた定期健康診断で『肺に影がある』といわれたんです。再検査したところ『肺に水が溜まっている』と診断されました。でも年齢的に手術で取り除くのは困難。そこで注射で水を抜く措置を行いました。その後も検査など入退院を繰り返していました。でも母は高齢なので体力を消耗し、次第に一人で歩くことが困難になってしまいました」
現在は、都内にある二世帯住宅でキヨさんと同居中の有里さん。1階にキヨさん、2階に有里さんや祐実の兄弟たちが住むことで、介護しやすい態勢を整えている。キヨさんが外出する際は車いすが手放せず、食事の用意や入浴の介助、着替えの手伝いなど、負担は増えていく。有里さんも苦労しているはずだが、彼女は笑顔でこう答えた。
「大変だとは思いません。スケジュールは私に合わせてもらっていますし、食事も作り置きしたものや買ってきたものも出しますから。母も『美味しい』と言っています(笑)。これまでも母とはぶつかってきましたからね。いい意味で気を遣い過ぎない関係なんです」
そんなキヨさんを孫の祐実も心配している。以前インタビューで彼女はこう語っていた。
《母親が厳しかったので、祖母が逃げ場でした。小学生のころ、怒られるとよく祖母の部屋に逃げ込んでいましたね。(中略)数年前、仕事もプライベートもうまくいかない時に『あんた最近老けたわね』と言われ『よく見てくれている』と思いました》
最近では、彼女も月に数回は実家に顔を出しているそうだ。有里さんがこう続ける。
「来たときは必ず顔を見ていきますよ。泊まりで祐実の娘を預かることもあります。この間お祭りがあったときも来てくれて、母はとても嬉しそうでしたね」
今回の介護を通じて有里さんには思うところが。それは、自分が介護される日のことだ。
「母を見ていると、自分もいつかこうなるとイメージできるようになりました。もしその日が来たら……沖縄とか、海の見える病院に入りたいかな。祐実や家族や知り合いが遊びに来てくれて、みんなで海を眺める。そんな介護生活なら、幸せだと思います」