4年ほど前から全国20カ所以上の少年院を訪問し、「命の授業」という講演を続けているのが、TIMのゴルゴ松本(48)。ボランティアで行っている活動はテレビでも紹介され、その内容がこのたび『あっ!命の授業』という1冊の本にまとめられた。

「僕が面白いと思ったことを、ただ少年たちに伝えているだけですよ。無理をしても続かないから、スケジュールが合う範囲で続けているんです」(ゴルゴ松本・以下同)

 本人はいたって冷静に答えるが、授業の様子は激アツだ。漢字の成り立ちの話を軸に、漢字の意味やそこから受け取れるイメージを、独自の解釈を交えて紹介。生きる意味や人間とのかかわりの大切さを訴え、多くの人に感動を与えている。

 講演では、ホワイトボードに次々と漢字を書いて行くゴルゴ。そもそも、どうして漢字にそんなに興味を持つようになったのか?それは、10年前に歴史番組の司会を務めたことがきっかけだった。

「『通説を覆す』というテーマで、歴史を再検証する番組だったんです。織田信長が殺された『本能寺の変』も、明智光秀の側から見れば、まったく違った話になる。そんな敗者の歴史、裏の歴史にこそ真実があるのではと思い、調べ始めました」

 もともと調べることが好きだった彼は『古事記』や、『日本書紀』などを読みあさり、歴史の勉強にハマっていった。その結果、漢字の成り立ちである象形文字に行きついた。

「どんな意図があり、何を残そうとしてこの文字を作り出したのかという目線で、漢字と対峙するようになったんです。僕の漢字の話は、歴史で学んだことやひらめき、直感など、自分なりの解釈をかなり加えています。漢字は意味も形も、時代とともに少しずつ変わっていくもの。だからいいかなと(笑)」

 いわば“こじつけ”だが、それを許してしまうところも、漢字の懐ろの深さだという。そういえば、TIMを人気芸人に押し上げたのも、人文字の「命!」という漢字ギャグだった。彼が漢字の話をすることになったのは、必然だったのかもしれない。