「最後の収録の前日は、ずっと胸が熱かった。現場に来ても、最初のころの台本を読み返したりして。収録中は、NGがうれしかったんですよ。まだ、この現場にいられるって(笑)」

 そう話すのは、大河ドラマ『花燃ゆ』の撮影を1週間前に終えたという高良健吾(27)。演じた高杉晋作のざん切り頭姿の雰囲気を残しつつ、とても穏やかな目をしていた。

「終わった瞬間、ちゃんと高杉晋作として生きてこられたのか?と自分自身に問いました。答えは、正直、出ません。ただ、幸せだったなあと。ずっと高杉が近くにいたし、彼からはもちろん、吉田松陰や文、久坂玄瑞、そして、現場から多くのことを学びました」

 そのなかでも、久坂玄瑞を演じた東出昌大は、「特別な人」と語る高良。

「東出とはずっと一緒にいて、いろんな話をしました。彼は『お前、仕事の話ばかりだな』と言うけれど、ふだん、何を話したらいいのかが、よくわからないんです(笑)。東出とは、僕が初めて受けたオーディションで会ったのが出会い。2人ともまだ高校生でした。その後、東出はモデルになって、僕は役者になった。そして、日本アカデミー賞の受賞式の会場で再会し、『絶対、近いうちに一緒にやろう』と話していたら、この作品で初めての共演。だから、思いが全然違います。高杉晋作が思う久坂玄瑞と、高良健吾が思う東出昌大というのは、似ていたかもしれない。というか、だぶらせちゃってるところがありましたね(笑)」

 ドラマは高杉の死後、鳥羽・伏見の戦いを機に一気に新しい時代へ。

「美和の生き方を見てください。大切な人たちが次々と命を落とし、彼女は色々なものを託され、自分の血のつながらない子供までも育てることになる。最初、おにぎりを運ぶことしかできなかった彼女が、これからも生き続け、自分のすべきことをやり続けて。その生きざまから、僕自身も学ぶことがあります。命の使い方という意味で、今、この時代を生きるみなさんにも、いろいろ感じていただけると思います」