「この前の朝ドラ出演は23歳のとき(’03年『こころ』)。そのときはとにかく一生懸命で、あまりまわりが見えていなかったですね。あれから12年。僕も35歳になり、前回よりは撮影の現場を楽しめている部分はあるかもしれません」
こう話すのは、NHK連続テレビ小説『あさが来た』でヒロインの“ボンボン夫”新次郎を演じている玉木宏(35)。第1週「小さな許嫁」では、子供時代のあさ(鈴木梨央)との“年の差”が話題に。
「どうアプローチするかはずいぶん悩みました。でも、この作品は朝ドラでは珍しい時代劇ですから。約150年前はそれが普通のことだったんだ、とあまり深く考えずにサラッと演じるようにしました」
新次郎を演じるなかで心がけているのは“和の要素”に対する意識だという。
「着物をきれいに着こなさなくてはいけないし、所作も品よく見せたい。落ち着かないところもあるけれど、身だしなみには特に気を配ってやっています」
主人公・あさを演じる波瑠が「玉木さんが現場を引っ張っていってくれる」と語るように、共演者からの信頼も厚い。
「波瑠さんとの共演は初めてですが、精神年齢が高く、落ち着いている人ですね。ヒロインを演じていくのは本当に大変なこと。彼女はいろいろな面で努力しています。僕たち“夫婦”を、どうか温かく見守ってほしいですね」
現場をまとめる立場になっていくなかで、“朝ドラのチームは家族”という思いが日に日に強くなっているそうだ。
「人はみんなそれぞれ、多少悩んだり行き詰まったりすることもあるけれど、朝は必ずやってきて、前へ進んでいかなくちゃならない。毎朝見てくださる人の心が落ち着くような、そして一日の活力を届けられるような作品を、僕たちのチームで届けていけたらうれしいです」