「今回の紅白歌合戦で着た私の衣装はいかがでしたか?ビーズ刺繍のカリスマ・デザイナー、田川啓二さんのオートクチュールなんです。司会の発表が11月下旬でしたが、それからの用意でしたので大変でした」
そう語るのは黒柳徹子。本誌が電話インタビューしたのは、紅白本番翌日の1月1日だったが、その声にはハリがあり、まったく疲れを感じさせなかった。
‘83年の紅組司会以来、32年ぶりの司会だけに、さまざまな“発見”もあったという。
「紅組司会の綾瀬はるかさん(32)とは初めてお会いしました。女優さんとしていろいろな役を演じているときは、『すごくしっかりした女性だな』というイメージだったんです。でも実際にお話ししてみると、すごく純真で可愛らしい人で、とても面白かったです。意外といえば、審査員を務めた羽生結弦選手(21)もそうですね。音楽に合わせて体をゆすったりしていて……。スケートの天才ですが、そんなところはふつうの若者だなぁって思えて、微笑ましかったですね」
さまざまな出会いもあった紅白だが、いちばん印象深かった出来事を聞くと――。
「なんといっても、マッチ(近藤真彦・51)が白組のトリを飾ったことです。出会ったころは15~16歳のやんちゃ坊主だったのに……。彼も35年歌い続けてきて、本当に良かったと思いました。彼のトリが決まったときも、いろいろなことが思い出されました。リハーサルや本番が始まる前から、母親のような気持ちで、ずっと楽しみに待ち続けていました。また、本番中も慌ただしかったのですが、森進一さん(68)とは、いろいろお話しする機会に恵まれました」
森は48回目の出場をもって、紅白卒業を宣言していた。
「48年間出場し続けるって、すごいことですよね……。森さんの出番は後半で、ずっと腕を組んでステージを見守っていました」
森の長男・森内貴寛(27)は人気バンド「ONE OK ROCK」のボーカル“Taka”として活躍中だ。
「私は彼を赤ん坊のころから知っていますよ。森さんもいっしょにNHKホールなどで『じゃがいもの会』をやっていたころ、あの子は小さいので私のことを“NHKのおばちゃん”と呼んでくれていました。彼がなかなかチケットもとれないほどの人気歌手になるなんてね。森さんに『良かったね。安心したでしょ』ってお話ししました」
本番前には「少し緊張しています」とも語っていた彼女だが、やりきったという充実感にあふれていた。