「今年の1月5日で61歳になりました。元気の秘訣ですか?なんでしょうねぇ。子供っぽいんですよね。昔から“子供おばさん”って言われていました、フフフ。好奇心も小さいころのままです。昔から質問ばかりする子でしたけど、今も変わらずです」
そう語るのは、女優・渡辺えりさん。彼女はとにかく元気な人。取材中も身ぶり手ぶりを交えて、しゃべるしゃべるしゃべる!60代を迎えても、ペースを落とすことなくパワフルに突き進む。そんな渡辺さんだが、いまでも人から学ぶことがたくさんあるという。
「30年の付き合いになるキョンキョン(小泉今日子)は、年下なのに頼れる存在、みんな彼女に何でも相談していますよ。大姉御ですよね。勉強熱心だし、おしゃれだし、プロデューサー的才能があって、尊敬しています」
また、’12年に亡くなった故・中村勘三郎さんには、仕事の幅を広げてもらったほか、いろいろなことを教わった。
「哲明さん(故・中村勘三郎)は、分け隔てなくいろんな方とお話をするし、サービス精神が旺盛で絶対サインは応じる方だったので、私も今はお箸の袋でも、紙ナプキンでもなんでもサインします。あとはきちんと顔を見て『おはようございます』と『ありがとうございます』を言う方でした。それは哲明さんの遺言として受け継ごうと思っています」
2月4日から22日まで三越劇場にて上演される主演舞台『おばこ』では25歳の役を演じる渡辺さん。
「『おばこ』という、家族の幸せのために芸者から女郎になった女の悲しい物語の主人公・花子を演じます。台本を読んだだけでも泣いてしまうくらいかわいそうなお話です。が、不安要素も。実は61歳の私が25歳の役をやるんです。見えるんですかねえ(笑)。あとは変装シーンがあって、ほっかむりをして、もんぺ姿になるんですが、今回の出演者は皆さん痩せていて、ふくよかなのは私だけ。だから、いくら変装しても体形で私だってすぐにわかりますよね(笑)」
舞台は2部構成で、1部は「おばこ」、2部は「渡辺えり愛唱歌」となっている。
「悲しいお芝居のあとは私の歌とトークで笑っていただきます。何を歌うかは考え中ですが、トークに関しては舞台の裏話や時事ネタなど、劇場でしか話せないことを日替わりでお話しします。お客様には『絶対に口外禁止ですよ』と前置きして(笑)。楽しみにしてくださいね」