「反響、すごかった。3日とも完売です」と語るのは、東京・小岩にあるベトナム料理専門店『フォーおいしい』店長のジャン・ティ・キム・フォンさんだ。
2月18日放送の『櫻井有吉アブナイ夜会』(TBS系)で取り上げられたこのお店。フォー大好きのディーン・フジオカ(35)が訪れた際に「もやしはもっとほしい」「コリアンダーは少なく」「唐辛子は青唐辛子のほうがいい」など次々と注文。視聴者から「こだわりがスゴすぎる!」などのコメントが寄せられ話題を呼んだが、結果、そのオーダーをすべて叶えた“ディーンスペシャル”が2月19~21日の3日間限定で提供されることとなった。
そこで最終日の21日、本誌記者は店へと向かった。12時半ごろに到着すると、すでに50人ほどの長蛇の列が。並んでいたのはほとんど女性グループかカップルで、「地方から来ました」いう強者も。ディーン人気のすごさがうかがえた。
中に入れたのは、約2時間後。店内は20席ほどで、店の前にはディーンとの記念撮影写真、カウンターにも直筆のサインが。この日のメニューはディーンスペシャル(1,500円)のみ。オーダーすると、15分ほどで出てきた。
大ぶりのお肉がのったフォーとは別に、新鮮な野菜とカットレモンが別盛りの皿で並ぶ。番組で見たとおりだ。すき通ったスープに野菜を投入し、レモンをしぼる。スープを飲むと、あっさりとした塩気、その後にパクチーやレモンなどの爽やかな香りが口の中に広がってきた。
次にディーンがやっていたように、うっすら桜色のお肉をスープでしゃぶしゃぶする。そして、別皿に用意していた海鮮ソースとチリソースをつけて食べてみると……何これ、めちゃくちゃうまい!
まるでローストビーフみたいで、口に入れるとすぐにとろけていく。これだけでも2時間並んだ甲斐があったと思えるほどだ。もちろんフォー自体もモチモチで、ちょうどいい太さと食感。シャキシャキのもやしなど野菜との相性も抜群で、あっという間に完食してしまった。
後日、店長のジャンさんに話を聞いた。もともと18年前に来日し、都内の飲食店で修業。そして昨年10月に、この店をオープンしたという。
「肉は牛ロースで、他にも牛スジや肉だんごも入れています。パクチーは日本産だけど、コリアンダーやバジルはベトナムから取り寄せています。本当はもっと入れたいけど、その分値段も高くなってしまう。あまり高いと日本のお客さん来てくれないから、難しいです。だからディーンさんに野菜のこと言われたとき、『この人、わかってる』と思いました」
つまり、お店経営を抜いて純粋に味のことだけを考えた場合、ディーンスペシャルはジャンさんも納得のオーダーだったというのだ。
「まわりの人はディーンさんのこと『ちょっとうるさいね』と言っていたそうですが、私は、嬉しかった。ここまでフォーのことをいっぱい言える人、いません。ディーンさんはすごくイケメンで優しかったけど、フォーのことでも“プロ顔負け”のスゴさです」
今回のディーンスペシャルは3日間限定だったが、また出す予定はないのだろうか。最後に聞いてみると、ジャンさんはこう答えた。
「今はベトナムから野菜いっぱい入らないけど、入ったらまたやりたいと思っています」
小麦(グルテン)アレルギーなこともあり、米粉で作るフォーが大好きだというディーン。そんな彼の“フォーの美学”は、プロも魅了される完成度のようだ。
フォーおいしい
東京都江戸川区西小岩4-14-20