「去年の冬から春にかけてはすごく痛かったです。ドラマの台本に『立ち上がる』とか『ミカンの皮をむく』とか書いてあっても、痛くてその動作ができない。落ち込みました……」
そう語ったのは女優・酒井若菜(35)。対談本『酒井若菜と8人の男たち』(キノブックス)を出版した彼女は、3月1日に発売記念イベントを行った。対談本のなかには、彼女が膠原病であることもふれられており、話題を呼んでいる。膠原病とは、全身の皮膚、血管、筋肉、関節などに炎症が見られる病気の総称だ。新板橋クリニックの清水公一院長は言う。
「症状は一人ずつ異なり、発病の原因はいまだに判明していません。男性より女性の患者さんが多く、割合はおおまかに言えば1:2ぐらいでしょうか」
酒井が発症したのはまだ10代のころ。彼女はブログでこうつづっている。
《私は19才の時分、膠原病のうちの二つに罹りましたが、当時は私の症状を完治させる治療薬がなかったこともありしたし、治療する必要もない程度だったので、定期的に検査だけをしに通院はしていました。そして昨年、またもう一つ新たに罹り、今度は治療が必要になったので、現在通院を再開して治療をしていることです》(2月19日付)
膠原病のことを公の場で明かす前も、彼女はツイッターで体調不良についてつぶやくことがあった。
《関節炎で体が動かない日がある。病院で持病の注射を打ちながら、一生打ち続けるのか、適当に諦めるのか、どうするつもりと自分に聞く》
3月1日のイベントでは、「支えてくれるようなパートナーは欲しいですか?」と報道陣に質問されたとき、「しばらくはいいです」と、笑顔で答えていた彼女。だが実は『酒井若菜と~』のなかでは、佐藤隆太(36)との対談で“ある決断”を明かしているのだ。
《佐藤 結婚はしないの?
酒井 結婚はしない。
佐藤 しないって決めたの?
酒井 決めたの。もうやめたの》
“結婚はしない”と断言した酒井。すでに16年にも及び、さらに先も見えない闘病の日々が、彼女にそんな決断を下させたのだろうか。前出の清水公一院長は言う。
「結婚適齢期に発症する女性も多いのです。現実的に膠原病の女性にとって妊娠・出産はとても大変です。治療のため、ステロイドや免疫抑制剤などを使用している場合は、胎児への影響も懸念されます。また、妊娠のため、病気の症状が悪化するケースもあります」
8人の男性との対談集からは、笑顔に隠された彼女の苦悩の日々もうかがえた。