「最初は、あさと結婚したばかりの新次郎の手を握ったりして、あさを嫉妬させるような場面もありましたね」
こう語るのは、NHK連続テレビ小説『あさが来た』で主人公たちが集うレストラン「晴花亭」の女主人・美和役の野々すみ花(29)。そう彼女が振り返るように、美和の変化は激しかった。
ドラマスタート時は妖艶な三味線の師匠、後半は快活なレストランの女主人として折々に登場している。
「プロデューサーと『女性に嫌われる女性にはしないでおこう』などの話をしたのち、レストランの女主人になりました(笑)」
そんな“大転身”もあって、さらに存在感に重みをと野々は試行錯誤。とりわけ、ファッションに関しては細部へのこだわりを見せた。
「作品中、帯締めをしているのはよのさん(風吹ジュン)と美和だけ−−。美和は時代のちょっと先を行っているという設定でしたから、ファッションもあえて、着物の差し色を外したり強めたり。かんざしも凝ってみたり。今日のかんざしはうさぎです」
また、メークに関しても、昼は爽やかに、夜は口紅を濃く、と工夫をこらしたそう。
「共演者の方は白髪交じりにして年を重ねていたりするのですが、美和だけは“年齢不詳”のままなのです。きっと一生懸命“美”を保っているのでしょう。今でいう美魔女ですかね(笑)」