「今年の1月に『スピンオフの主役が亀助に決まりました!』と三宅弘城さん(48)に伝えたとき、全然信じてくれなくて(笑)。何度も『本当に僕でいいんですか?』と聞き返されましたね」
前作のNHK連続テレビ小説『あさが来た』のプロデューサーを務めた佐野元彦さん(56)が、“あさロス”に悩むファンに朗報を届けてくれた。加野屋ファミリーが、スピンオフドラマとして帰ってくるのだ(4月23日・21時〜 NHK BSプレミアム)。
「実は年が明けてもスピンオフのテーマが決まっていなかったのです。通常スピンオフの撮影は本編を終えてからスタートさせますが、今回はスケジュールが押しに押して、最終週の収録と同時進行で撮影していました」(佐野プロデューサー・以下同)
しかも、主役が亀助に決まったのは、1月の1週目の放送が終わったころだった。
「その週に亀助とふゆが結婚するまでのストーリーを描きましたが、これを見た視聴者から『本当によかった。おめでとう!』と驚くほど多くの“お祝いの言葉”が寄せられまして……。そのとき、雁助、うめ、亀助など、自己犠牲を払ってでもヒロインを支えるサブキャラたちの注目度の高さが、『あさが来た』が愛される理由の一つだと確信したんです」
その人気サブキャラの筆頭格が亀助だったというわけだ。
「ここでお伝えしたいのが演じている三宅さんが、まんま亀助さんのキャラクターだということ。現場ではとにかく明るくムードメーカーなんですが、仲間の話をしているときに突然泣きだしちゃったりもする。そんな“情に厚い”ところがスタッフみんなに愛されていましたね」
人望の厚い三宅がスピンオフの主役を務めることに、主演の波瑠や玉木宏たちも大賛成。撮影中は“亀助のために頑張ろう”と一体感が生まれた。
「スピンオフでは、三宅さんならではの舞台風な撮り方にも挑戦しています。通常はワンカットずつ区切っての撮影ですが、今回は最大9分くらい演じ続ける“長回し”を増やしたんです。三宅さんは全体の3割を超えるセリフを一人でしゃべり続けますよ(笑)。でもまったくトチらなかったので驚くほどNGの少ない撮影でした」