『とと姉ちゃん』6週(5月9日〜14日)は、常子(高畑充希)が、母・君子(木村多江)と祖母・滝子(大地真央)の仲が険悪になってしまった理由を知り、2人の関係を修復させようと奮闘する1週間。

森田屋に居候を始めて3ヶ月が経ち、常子たちは少しずつ生活に馴染んでいった。三女の美子(根岸姫奈)は、青柳商店にひとり出向き、滝子におやつをねだるのも習慣となり、同じく森田屋のまつ(秋野暢子)にも上手に取り入る要領の良さを身につけていた。しかし、君子にいたっては、滝子との関係は変わらず険悪のまま。青柳家を出た真相を話そうとはしない。君子と滝子の関係を修復させようと悩む常子は、ふとしたことから、学費を援助してくれていたのは隈井(片岡鶴太郎)ではなく、滝子だと知ってしまう。君子に話すべきではないかと悩む常子は、鞠子や同級生の綾(阿部純子)に相談し、君子の気持ちを考え、秘密にしておくことにする。ある日、君子は、隈井に学費を返そうと居酒屋に向かう。酒に目がない隈井は、酔った勢いで「女将さんに返す」とつい口にしてしまう。

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真相を知った君子は、ひとり滝子の元へと駆け込み、「もう関わらないでください。私の稼ぎだけであの子たちと暮らしてみせます」と援助を断る。昼夜問わず働く君子を心配する常子たち。そんな折、浜松で世話になった染工会社社長の杉野(田山涼成)が突如現れる。青柳商店を訪ねてきた杉野は、君子と滝子の内情になぜか詳しい。常子がその理由を問い詰めると、「もう時効だろう」と降参する杉野。今まで伏せていた父・竹蔵(西島秀俊)の秘密を語り始めた。

 

杉野の話では、竹蔵は、君子と滝子を仲直りさせたいと考え、家のことを綴った手紙を滝子に送っていたという。竹蔵の思いを知った常子は、青柳商店へと向かい、滝子に土下座し、もう一度、君子と話し合ってほしいと説得する。そして、「自分は学校をやめて働くので、妹たちの学費だけは今後も援助してほしい」と頼む常子。そこに入ってきた隈井に「つまらない意地を張るのはやめましょう」と諭された滝子は、本心を打ち明けるのだった。

 

滝子は、君子たちが安心して暮らせるようにという思いから、常子を清に嫁がせたいと望んでいたこと。そして、君子が突然青柳家を出る決意をし、滝子の援助を拒み続けるのも、常子の自由を守るためだったと聞かされた常子。自分のために、さまざまな人が自分を思い、守ろうとしくれていたことに感激し、号泣するのだが、同時に、君子と滝子のケンカの原因が自分だったことを知って、今度は悲しみにくれる。そんな常子を見ながら、「忙しい子だねえ」とすっかり祖母の顔に戻る滝子。文箱の入った手紙の束を常子の前に差し出した。

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それは、杉野が話していた竹蔵からの手紙。竹蔵は亡くなるまでの15年間、小橋家の些細な日常を綴り、滝子に送っていたのだ。竹蔵の手紙を受け取った常子は、母の元へと走り、滝子が手紙のおかげで、君子たちの暮らしを認めるようになったという祖母の言葉を告げる。君子は、これまでの滝子の言動が自分の思い過ごしだったと悟る。さらに、「今すぐ “おみくじ”を引いた寺に来てほしい」という伝言を聞き、幼いころ、大凶を引いてしまった君子に「何が起きようが、私が守ってあげるから」と言ってくれた滝子の顔を思い出した。和解しようとした矢先、青柳商店の作業場のある川で、ひとり遊んでいた美子が誤って川に落ちてしまう。君子と滝子が周囲に止められ、助けられずにいると、常子が躊躇なく川に飛び込み、溺れる美子を間一髪で助ける。

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青柳商店に担ぎ込まれた美子たちは、体を温めながら、ひさしぶりに隈井や清との楽しい会話に笑顔を見せる。ふとしたことから百人一首をすることになり、常子はかつて竹蔵と遊んだ記憶を思い出す。そして、君子の名が付けられた札の話題におよぶと、隈井が、君子の名は別の札から取ったのだと告げる。「君がため 惜しからざりし 命さえ ながくもがなと 思ひけるかな」が正解だという隈井に、「恋しい人を思う歌だから違うのでは?」と君子。すると、隈井はこう昔を振り返った。滝子は妊娠時に体を壊していて、子を産めば母体の命に関わると医者から止められたという。だが、滝子は、自分の命を賭してでも我が子を産みたいと出産を決意。無事君子が生まれると、今度は「この子のために、ともに生きていたいと思った」と、隈井は滝子の思いを告げる。君子は、そんな母の深い愛情が込められた句に涙を流す。

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仕事を終え、百人一首に加わろうとやってきた滝子に、「意地を張ってばかりですみませんでした」と詫びる君子。すると、滝子は「しかたないさ、あたしの娘だもの」と優しく微笑んだ。そして、これまでどおり森田屋に住み込みで働きながら、滝子から学費を援助してもらうことに決める。

 

7週の『とと姉ちゃん』は、「常子、ビジネスに挑戦する」(5月16日〜21日)

。物語は、常子(高畑充希)、16歳の昭和11年春。女学校の最高学年になった常子は、ほとんどの女学生が卒業を待たずに嫁ぐ中、ひとり高給取りの職業婦人になるべく、職探しに没頭する。そんな折、新しい担任となる東堂チヨ(片桐はいり)と出会う。女性の自立をすすめる東堂は、常子に「青鞜」という一冊の雑誌を渡す。その影響は、将来に悩む鞠子(相楽樹)にも伝播する。そこに、叔父・鉄郎(向井理)が現れ……。

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