6月24日、横浜市内のホテルで覚醒剤取締法違反と大麻取締法違反で現行犯逮捕された高知東生容疑者(51)。昨年6月、「妻の父親の介護のため、芸能界引退」を発表してからちょうど1年目のことだった。本誌は逮捕直前、高知容疑者を独占インタビューしていた。5月にエステ店をオープンした彼が、記者の取材に応じたのは逮捕3週間前の6月3日のこと。場所は彼が隠れ家サロンとして経営していた、都内にある高級エステの一室だった。
「来てくれてありがたいです。俺、もう一般人なんで(笑)めちゃめちゃ緊張してます」
高知は白い歯を見せて本誌記者を歓迎してくれた。ヒゲをはやし、サイドを刈り上げたヘアなど、俳優時代と比べるとワイルドな印象だ。高知は今回のエステ開店について、熱を込めて語りだした。
「僕は若いときから、いてほしい人が早くいなくなっていったんです。おふくろとか、ばあちゃんとか。そんな経験の中で、大切だと思ったのが体温。体温が下がると免疫や抵抗がダメになる。それで、昨年には体温管理士という資格を取りました。家族、そして頑張っている女性を守りたい、そのために体温の大切さを伝えたい、というのがエステ開店のきっかけです」
引退発表から1年、対面で取材を受けることは久々のようだった。エステ開店の熱い思い、そのきっかけとなった自らの家族関係、そして妻・高島礼子(51)との夫婦生活まで、この日の彼はエネルギッシュに、そしてびっくりするほどハイテンションで、90分にわたってしゃべり続けた。
エステへの情熱を訴え続けた高知だが、ここで記者には疑問が浮かんだ。芸能界引退は「パーキンソン病で寝たきりの義父の介護」だったはず。当時は「闘病中の義父を自宅に迎えて介護に専念する」との報道もあったが……。
――いま、お義父さまとは、ご自宅で同居生活ですか?
「いえ、横浜です。(義父は)横浜の実家にいます。いまの家をバリアフリーにして、エレベーターをつけたりして同居の準備はしたんですけど、『ワシはやっぱり、女房と住んでいた家に居たい』と。なので24時間、介護ヘルパーをつけています。心ない人からは『カネがあるから』とかも言われますが、僕は気にしない。そのヘルパーのシフトを組んで、日々の報告を僕が引き受けているんです」
話しているうちに、彼自身が取り繕った仮面を剥ぐようにどんどん“ぶっちゃけ”てきた。
――いまの介護生活で、お義父さんをお風呂にいれたりとかは……。
「僕がするわけないじゃないですか。動けない人をお風呂にいれるのは、ほんとに大変なんです。第一、男が男をお風呂にいれて、喜ぶわけもない。実際、お義父さんも女性のヘルパーさんのほうが喜ぶし(笑)」
彼が記者に語ったのは、世間がイメージした「介護のために引退」とはほど遠い実態だったのだ。そんな彼の生活や、エステビジネスを経済的に支えていたのは妻・高島だったようだ。彼は妻への思いを、熱を込めて記者に語った。
「僕、ホントに女房の芝居が好きなんですよ。芝居で見せる彼女のメッセージ性のある目と、内側から醸し出す芝居と言うのは……う~ん、俺、これ5日間は語れますよ。正直な話、これまで僕はマイペースで好きなようにやらせてもらってきました。ホントにやんちゃだった俺を拾ってくれて、惚れてついてきてくれた。だから女房には感謝しかないし、頭が上がらない。そんな彼女を、そしてすべての頑張る女性を、このエステで支えたい。僕は父親の背中を知らないし、女の背中しか知らない。女、大好きだし(笑)」
たしかにその言葉は真実だったことが、今回の逮捕で証明された。本誌インタビューから3週間、支えるどころか「不倫現場での薬物逮捕」という最悪の形で高知容疑者は妻を不幸のどん底に突き落としたのだった。