「収録はいつもどおりの厳戒体制の中で行われました。ランスルー(通し稽古)やカメリハなど、何度も同じ曲を繰り返しましたが、ずっとすごい緊張感が漂っていました。6人の歌からは“10年ぶり”の共演とかそういうことを超えた、言葉で言い表せない気持ちがあふれていました」(音楽関係者)
20年の歴史を誇る『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)。10月31日、そのステージに、松任谷由実(62)が10年ぶりに登場した。
「11月2日に新アルバム『宇宙図書館』を発売したユーミンのところには、いくつもの番組出演依頼が来ていたそうです。その中に、『スマスマ』からのオファーを見つけたユーミンは、即座にOKを出したと聞いています。彼女は『なんで今まで気がつかなかったのかしら。年末で本当に番組なくなっちゃうのよね』と担当者に聞き返したそうです。番組の出演後にツイッターで彼女がつぶやいた、『今、マイケルが亡くなったときみたいな気持ち。なんでもっと早くSMAPを応援してること、堂々と表明しなかったんだろう』という言葉は、彼女の心からの言葉だと思います」(前出・音楽関係者)
人は何かをなくしてからしか、その価値を認識できない。でも今ならまだここに、5人そろったSMAPがいる――。ユーミンの歌声には、そんな思いがあふれていた。
『守ってあげたい』を歌いきった中居正広(44)と木村拓哉(43)の目には、うっすらと涙が浮かんでいるように見えた。収録を終えたユーミンは、「感無量だった」という。そんなユーミンがこの日の楽屋に残していったのが、5人それぞれに宛てた“直筆の手紙”だった。
《私は一人一人に手紙を書いて、楽屋に置いた。「いつかSMAPとしてみんなが笑って会えるように、もっともっと大きなひとになって、思い出の欠片いっこもなくさないようにしてね」って》(ツイッターより)
メールの時代だからこそ、手書きの手紙が持つ威力をユーミンは熟知しているのだと語るのは、別の音楽関係者。
「彼女のデビュー40周年でのことです。このとき、彼女が13歳のときから憧れ、曲を書き始めるきっかけとなった英国のバンド『プロコル・ハルム』とのサプライズ共演がありました。じつは、彼らを口説き落としたのは『夢を叶えていただけないでしょうか』との気持ちをしたためた、彼女の直筆の手紙でした」
解散報道以来、分解寸前にも見えたSMAP。ユーミンの歌声と「5通の手紙」は5人に大事なものを取り戻させてくれた――。