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5月18日に初期の肺腺がんであることを発表した中村獅童(44)。20日には会見を開き、がんと闘っていく決意を告白。「今月末に入院して来月頭に手術。10日ぐらいに退院できるのではないかと思う。できるだけ早く復帰したい」と復帰への意気込みを語っていた。

 

近年の獅童といえば、苦難の連続だった。08年10月に父・小川三喜雄さん(享年79)が胃がんで死去。12年12月には中村勘三郎さん(享年57)が食道がんで亡くなった。そして13年12月には母・陽子さん(享年73)までもが、心不全でこの世を去ったのだ。

 

そんな獅童を支えてきたのが、妻・沙織さん(33)だった。11年1月に婚約したが、相次ぐ不幸のため喪に服すことに。結婚は交際5年後の15年1月だった。獅童は昨年5月、本誌の対談に登場。陽子さんが亡くなる直前に沙織さんと同居していたことを明かしている。

 

《7カ月くらいは実家で3人で生活していたので、いろいろ教わっていますし、妻も母のことはよくわかっていますね。(中略)僕が悩んでいる様子もわかっていたでしょうけど、いつだって『あなたは大丈夫』と言ってました》(16年5月3日号)

 

陽子さんは挨拶周りの場に沙織さんを連れて行くなど、梨園妻としての心得を教えようとしていた。だがその手ほどきをすべて教わる前に、陽子さんは天国へ。それでも沙織さんは、その遺志を受け継いでいた。

 

「梨園で沙織さんほど評判の良いお嫁さんはいません。昨年の獅童さんは地方公演続きでしたが、沙織さんはいつもついて行って挨拶まわりに奔走していました。獅童さんもそんな彼女に感謝しているようで、地方公演中も『この後は妻と食事に行くんです』と笑顔で話していました」(梨園関係者)

 

だが、無情にも夫の身体にはがんが見つかってしまった。さらに今回、実は2年前に脳動脈瘤という病気の手術もしていたことが判明している。2年前といえば、沙織さんと結婚したころ。なんと、獅童と沙織さんは結婚直後から立て続けに病魔と闘っていたのだ。

 

「今回のがんが発覚した後、彼女はすぐ親戚や歌舞伎関係者に電話で連絡していました。電話口の彼女は気丈にふるまっていて、こちらの励ましにもきちんとお礼を返してくれました。きっと不安でしょうに、そんな毅然とした対応をしてくれて……。思わず、こちらが泣いてしまいそうでした」(前出・梨園関係者)

 

獅童は母の葬儀で「中村獅童という役者は小川陽子が作ってくれたと思っています」と語った。そんな義母へ祈りを捧げ、沙織さんは「萬屋を絶やしてはいけない」と誓っている。

 

「獅童さんは自覚症状もなく元気だそうですが、内心では相次ぐ闘病に不安も感じているでしょう。沙織さんはそんな夫を付きっ切りで支えています。生前、陽子さんはとにかく孫の顔を見たがっていたと聞きました。陽子さんが獅童さんにしてくれたことを、今度は自分たちが子供にしてあげたい。その思いは今も夫妻の心に強くあります。だからこんなところで負けていられない。きっと今回の手術も乗り越えてくれるはずです」(梨園関係者)

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