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今年6月13日に肺腺がんのためこの世を去った野際陽子さん(享年81)。彼女をしのぶ会が9月29日、都内の中華料理店でひっそりと行われていた。

 

「会は、人気昼ドラシリーズ『花嫁のれん』(フジテレビ系)で共演した羽田美智子さん(49)、山本圭さん(77)、吉田羊さん、矢田亜希子さん(38)が発起人となって開かれました。当日はドラマスタッフを中心に、70人ほどが参加していました」(テレビ局関係者)

 

開始時刻の18時を前に、羽田や山本、吉田、矢田らが続々と店内へ入っていく。輪のなかには、野際さんの長女・真瀬樹里(42)の姿もあった。

 

「『花嫁のれん』は10年11月にスタートし、11年、14年、15年と続きました。野際さんのがんが最初に発覚したのは14年。手術をしましたが、翌15年4月に再発しています。それでも最後まで休むことなく仕事を続けてきた彼女に、みんな感銘を受けていました。出演者やスタッフの絆は固く、真瀬さんも感動していました」(ドラマ関係者)

 

最初に山本が「またふっと戻ってくるんじゃないかと思う」と語ると、矢田も「途中から『花嫁のれん』のキャストとして加わったのに、優しく抱きしめて迎えてくれました。私の永遠の憧れの女優です」と挨拶。吉田は「初めてお会いしたとき、『吉田羊って変わった名前ね』と話しかけてくれました。ヒール役で悩んでいたときにアドバイスをくれて……」と語り、声を詰まらせる場面も。羽田は「野際さんがレディー・ガガの真似した写真を送ってきてくれた」と、ユーモアを大切にしていたという故人の意外な素顔も明かした。

 

その後も共演者や関係者の挨拶が続くなか、真瀬は次第に感極まっていたという。そして最後に、彼女はこんな言葉を語っていた。

 

「真瀬さんは『こんなにたくさんの人に愛されていたんだと実感しました。病気のことを内緒にしていたのは正しい判断だったのか、いまだにわかりません』と吐露。それでも『羽田さんはいっしょに闘病しているみたいに支えてくださって、母だけでなく私自身も励まされました』と感謝していました。そして『これからも母のことを思い出して話してください。皆様の心の中に母は生き続けます。私も生涯かけて母のような人間に近づけるように頑張ります』と締めると、会場から拍手が起きていました」(前出・ドラマ関係者)

 

会は20時に終了予定だったが、お開きになったのは1時間近く後だった。

 

「最後には、会場にいる全員で『良き思い出は心の宝』と野際さんの台詞を唱和。そして『野際さん、ありがとう』と言って締めくくりました。出演者の方々は名残り惜しそうに店を後にしていましたが、その後も羽田と真瀬は残って思い出話に花を咲かせていました」(前出・テレビ局関係者)

 

みんなの思いは、きっと天国の野際さんにも届いたことだろう。

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