6月22日に、お笑い芸人・森三中の大島美幸さんが、第一子となる男児を出産。かねてより妊活休業を宣言していたため、世間も休業を開始した頃とは打って変わって祝福ムードが続いていました。
しかし、名前が「笑」に「福」で笑福(えふ)くんと決まると、またたくまにキラキラネーム認定され、CCDカメラ付きのヘルメットを被り撮影した出産シーンがテレビ放送決定となるや、マタニティハイもたいがいにしろと大炎上したのです。
始めは祝福一色だった出産ニュースですが、なぜこうも短期間で批判色に変わってしまうのでしょうか?そして、マタニティハイはどこからが批判される対象になってしまうのでしょうか。今日はそのきっかけを考えてみます。
■問題なのはキラキラネームは痛いと決めつける頭の中
最初に注目したいのは、出産直後の祝福からの、笑福くんキラキラネーム認定までのムードの変化です。笑福くんは当て字がある事と、名前に「笑」などのコミカルな漢字が入っている点が「子供がいずれいじめられる」という勝手な心配を予想し、批判されているようです。
ただ考えて欲しいのは、母親は女芸人だということ。特殊な職業の親というのは、周りから違うという目で見られがちです。今回の命名が笑福くんでなくとも、母親がテレビの中でカラダを張って笑いを取っているという事実は、悲しい話ですが苦しむ時期が来るかもしれません。そうなると見るべきは、名前の奇抜さではなく、長い目で見ての親子関係の築き方ですし、このような不安を想定したら「笑福」と読んだだけで笑いを感じられる名前をつけてしまうのは、笑いを取る仕事は素晴らしいということを、血肉として覚えさせる予防策にもなる気がします。
むしろ今回の批判の空気は、どんなに親が考え悩んだとしても、変わった名前を付ける親はバカ親に違いない。という盲目的な思い込みの空気こそが、問題かもしれません。
■マタニティハイが痛々しく感じるのは「見せすぎ」感にアリ
キラキラネームの一連について考えましたが、その後出産シーンのテレビ放送決定と、さらにマタニティハイ行動は加速します。個人的にはちょっと観るのが怖いと感じる反面、出産シーンをテレビで放送するのは画期的で、出産というママ以外には謎が多い行為をオープンにすることはいいことなのではと思います。しかしなぜここまで炎上するのか考えると、恐らく世間的には「見せすぎ」という意識があるのではないでしょうか。
妊娠や出産についての話を聞くと、「生命や女性の神秘さを感じる」というような言葉をよく聞きますが、それを全面的にぶち壊すのが今回の出産シーン放送だったとしたら、見せ過ぎやり過ぎで騒ぐ流れも少し理解できるのではないでしょうか。
■今回の大島&鈴木夫妻の出産報告は成功だったのか?
そんな色々言われる大島&鈴木夫妻の出産炎上の一連ですが、きっと今後は子育て本を親子3人で出版したり、ママタレ&イクメンキャラでの仕事を増やす事が予想されます。出産ビジネスしすぎと既に言われていますが、冷静に考えると妊活休業で仕事のお休みをいただいた分を出産ビジネスで返す姿は、逆に凄いと思います。
そして生まれてきた子はどん子供でも祝福すべきなのに、親のエゴだ金儲けだと勝手に烙印を押そうとする外野のあり方こそ、出産へのハードルを上げる恐ろしい空気だなと感じるのでした。
おおしまりえ
雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター。10代より水商売やプロ雀士など人気商売に身を投じ、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼と、男女のコミュニケーションの違いを研究し、恋愛コラムを執筆中。
ブログ:http://oshimarie.com