12月6日に行われた漫才頂上決戦「M-1グランプリ2015」。お笑いコンビ「トレンディエンジェル」が敗者復活戦から這い上がっての優勝とあって、世間もかなり沸き立ちました。そんな優勝から少し経ちましたが、主役のトレエン2人は既にテレビやイベントに引っ張りだこ。人気者そのものといった感じです。このまま一瞬のブームで終わるのか、人気芸人としての地位を築くのかは彼等次第ですが、彼等のブームで2016年に「ハゲ男」が実は流行るかもしれません。今日は何故ハゲ男性が流行るのかについて、考えていきます。
■ぽっちゃりブームとハゲブームが似ている理由
「ハゲ」といえば、ダサくて、オッサン臭くて、見苦しい…といったネガティブなイメージを多くの方が持つことでしょう。しかし最近は、ネガティブなイメージを逆手にとったブームもあります。
それはぽっちゃりブームです。「ぽっちゃり=ちょいデブ」という従来のイメージを払拭し、いまでは明るくて癒し系のイメージで、ファッション雑誌やぽちゃ専門ブランドもあるくらいです。
このぽっちゃりブームの火付け役となったのが、お笑い芸人渡辺直美さん。この芸人発祥のブームであることを踏まえると、トレエンがブレイクすることで、オシャレハゲ男ブームが来てもおかしくないのです。
ちなみにハゲ男性は日本には、約1300万人いると言われています。これは男性人口の約25%。多くの人が対象になるということも、ブームを予感させる1つの要因です。
■ハゲを克服する第3の道が笑いである
そんなハゲブームについて考えたときに、もう1つ注目したいのが、従来のハゲ克服方法についてです。ハゲを隠したり植毛することを除き、ハゲのマイナス要素を失くすには、実は方法が2つしかありませんでした。
1:ハゲを坊主にして無かった事にする
2:ハゲてもカッコいい人になる
1は誰でもできるので割愛します。では2については、どこまでいけばカッコいいハゲだと認識してもらえるか、考えたことはあるでしょうか。個人差があると思うので、天下のGoogleに聞いてみます。「ハゲ かっこいい」で検索してみると、ハリウッド俳優や日本人俳優がズラリ。たしかに改めて見ると頭はけっこう薄めですが、まったく気にならないダンディさでカッコいい!
このように、ハゲでも格好良さを身につけるには、ハリウッド級の実績と貫禄を持つことでカバーできるのです。が、しかし、一般人にはとても難しい!そこへ来て、今回のトレエンブームなのです。彼等はハゲをしっかりネタにすることで、“失笑”ではなく“前向きな笑い”に変えて人気を取りました。つまり彼等の活動には、ハゲ克服の第3の方法、「前向きな笑いに変える」という道を全ハゲ男性に示してくれているのです。
今回ハゲブームを予測するにあたり、ぽっちゃりブームの話しをしましたが、ぽっちゃり以外にも、ここ数年はコンプレックスや黒歴史をバネにする人が賞賛される風潮にあります。例えばAKB48の顔でありHKT48の功労者、指原莉乃さんは、自身が引きこもりでいじめられっ子だった過去を公にし、全国の悩める世代にエールを送っています。このような流れからいくと、トレンディエンジェルがコンプレックス克服芸人になるのはもちろん、バネにして全国のハゲ男性へ、新しい価値観を与える救世主になりうる可能性があるのではないでしょうか。
2016年のハゲ男性ブーム、くるかこないか。まずはトレンディエンジェルのますますの活躍を期待したいところです。
(文・おおしまりえ)
雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター。10代より水商売やプロ雀士など人気商売に身を投じ、のべ1万人の男性を接客。鋭い観察眼と、男女のコミュニケーションの違いを研究し、恋愛コラムを執筆中。
ブログ:http://oshimarie.com