AKB48の顔である指原莉乃さん(24)が11月20日にグランドプリンス新高輪で、自身初となるディナーショーを開催しました。昼夜の2部公演で行われたショーは前売りチケットが完売。1,600名のファンを前に「シンガー指原莉乃」として往年のヒット曲を歌い上げるなど、バラエティ番組で見せる姿とは異なる顔でファンを魅了しました。
通常ディナーショーといえば、松田聖子さんや五木ひろしさんなど大物歌手が年末に行うイメージです。しかし指原さんがディナーショーを行って話題になったということは、芸能人のビジネスチャンスとしての可能性を秘めているのかもしれません。
■実はすでに新たなビジネスとして注目が……
先ほどディナーショーといえば「大物歌手が年末行うもの」とお伝えしましたが、実は改めて見直すとディナーショーを行う芸能人は年々増えつつあります。
例えばDAIGOさんや中川翔子さんなどはクリスマスディナーショーの常連ですし、意外と知られていないところでは速水もこみちさんや壇蜜さんも経験があるというから驚きます。「歌を聴きながら美味しい食事をいただく」という従来のディナーショーの形は、すでに変化していたのです。
そして今回、指原さんのディナーショー開催が大々的に報じられたことで“いくつかの条件さえクリアできればディナーショーで芸能人が稼ぐモデルは作れる”と感じました。
■ディナーショービジネス成功を握る3つの条件
・金銭的な自由のきくファンがいる
ディナーショーで思い浮かぶのは、高い値段設定と高級なディナーだと思います。今回指原さんのディナーショーも値段は35,000円。劇場公演でいえば約9回分に匹敵する値段であり、気軽に参加とはいかない価格設定になっています。
つまりディナーショー開催における絶対条件の1つは、金銭的に自由のきくファンを抱えていること。今まで往年の歌手のイベントだったのも、この金銭的に自由のきくファン=年齢層が高めのファンという構図が要因かもしれません。
・1人で集客できる人物である
「お料理にこだわったから、この値段でも赤字です」と指原さんはトーク中に話していたそうですが、実際高級ホテルでコース料理を食べながらのディナーショーはチケット代のインパクトほど旨味があるか疑問の残るところです。
そんな旨味を最大限生かすために必要なのはグッズ販売で売上を上げる魅力と、主催者側が1人で集客できることではないでしょうか。つまりグループ人気が強い芸能人の場合、主催できても採算が取れないという可能性もありそうです。
・コンサートやイベント出演が少なく“生”の価値が高い
最後はやはり「生で会う」価値が高い人物は、ディナーショー開催に向いていると考えられます。意外なところでは江原啓之さんなども常連とのこと。まさに会いに行ってパワーをもらうことに価値を感じるファンがいるのでしょう。
そんな可能性の広がりを感じるディナーショーですが、「五木ひろしさん価格の51,500円を超えてはいけない」という暗黙のルールがあるという噂です。本当かはわかりませんが、松田聖子さんなど大物歌手の多くが4万円代後半で落ち着くのを見る限り、ある程度ディナーショー界隈にもルールがありそうです。
しかし今後は先ほどご紹介したディナーショー成功の3条件を考えながら新たなサービスができれば、可能性は広がるのではと思います。音楽業界がCD売上よりもライブビジネスに傾きかけている今、芸能人もテレビやインターネットより会えることに価値をおく人が出てきてもおかしくないのです。