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最近辛口のご意見番芸人が増えたと感じるのは、筆者だけでしょうか。

 

たとえばオリエンタルラジオのあっちゃんこと中田敦彦さん(34)は、白熱ライブビビットにレギュラー出演中。そのなかでのコメントがネットニュースで話題になることがしばしばあります。「ワイドナショー」でコメンテーターを務める松本人志さん(53)も辛辣なコメントがたびたび話題にあがっており、目にした方も多いことでしょう。

 

もともと辛口ご意見番芸人的なポジションにいたのは水道橋博士さん(54)くらいだったはずなのに、気がつけば芸人が情報番組のメインMCやコメンテーターとして活躍する時代になっています。それはひとえに「庶民的で親しみやすさを持った一般人代表」が番組に必要な時代になったからだと思いますが、さすがに増えすぎている気も。これから、芸人のキャリアはどのように変化していくのでしょうか。


■芸人のキャリアには基本の3パターンしかない?

 

そもそも売れっ子芸人のキャリアという道で芸人さんたちをみていくと、そこには会社員さながらに“いくつか出世のパターン”があるように思います。

 

【若手期】

コントや漫才で売れて芸人として人気知名度ともにアップ。

 

【売れっ子期】

バラエティ番組でのひな壇芸人やゲスト芸人、リポーター芸人として番組を盛り上げる。

 

ここまでは基本的にどの芸人さんも同じ道のりのように思います。ここから先が、いくつかパターン化されているように思うのです。(カッコ内は代表的な芸人さん)

 

【売れっ子成長パターン1】

司会業やMCとして活躍(くりーむしちゅー上田さん、バナナマン設楽さん、ロンドンブーツ1号2号田村淳さん)

 

【売れっ子成長パターン2】

バラエティ番組でのピンでのゲスト出演(ハライチ澤部さん、アンタッチャブル山崎さん、南海キャンディーズ山里さん)

 

【売れっ子成長パターン3】

二刀流芸能人として文化人枠でも活躍(バカリズムさん、オードリー若林さん、キングコング西野さん)

 

芸人という冠を生かすには、基本はこの3パターンの掛け合わせで皆さん唯一無二の芸人さんとして成長していくようです。しかしここのパターン3の「バラエティ番組でのゲスト出演」が発展して最近は、

 

【売れっ子成長パターン4】

ご意見番芸人として情報番組で活躍(オリエンタルラジオ中田敦彦さん、ナインティナイン岡村隆史さん、小籔千豊さん)

 

という道も増えつつあるように思います。


■会社員だけじゃなく芸人にもリスクヘッジが必要な時代

 

俯瞰してみると「会社に尽くすだけでは生き残れない」といわれる我々一般人と同じように、芸人にも「芸人としてお笑いを追求するだけでは生き残れない」という時代がきているように感じます。

 

ちなみにコメンテーター芸人が増える少し前は「クイズ番組芸人」がこれまた増えていたように思います。しかしクイズよりも最近は学べる系番組や、健康系番組が増えた今、クイズ番組での芸人枠というのにも限りがある。またクイズ番組芸人としてロザンの宇治原史規さん(40)がそのポジションを極めてしまった感もあり、最近は頭がいい or 珍回答が面白いというポジションの芸人さんは思い当たらないのが現状です。


■今後「第5の芸人のキャリア」は?

 

情報や流行の賞味期限が短い今、スキルというのはどんな業界でも磨き続け、そして変化させ続ける必要があることを痛感させられる芸人さんのキャリアパス。そんななか最近注目されつつある芸人は、メイプル超合金のカズレーザーさん(32)です。

 

オネエ芸能人(芸人ではないけど)が一巡した今、ジェンダーレス芸人として新しいポジションをガシガシ開拓しているように思います。その活動はクイズ番組やゲストコメンテーター芸能人としてだけでなく、最近はお悩み相談コーナーにまで拡大。そこでの彼らの達観したコメントに、救われる若い人たちが続出しているのだとか。

 

このままいくと徹子の部屋さながらに「カズレーザーの部屋」くらい始まりそうな勢いです。しかし辛口ご意見番芸人が飽和状態になりつつある今、ネットや番組内で視聴者やファンと対峙して賛同を集められる共感スキルを活かしたカウンセラー的芸人さんが台頭していく可能性もありそうです。

 

こうしてみていくと、ゲッツでおなじみのダンディ坂野さん(50)や江頭2:50さん(51)など、同じ芸だけで食い続けられる人はほんのほんの一握り。最近は、エスパー伊東さん(56)が体調の問題から芸人業を副業にするという話も話題になりましたが「笑いという一芸を極めた先にも、また大変な道のりがある」ことを学ばせてくれます。

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