2017年5月に結婚した歌手の谷村奈南さん(30)とボクシング元三階級王者の井岡一翔さん(29)が、はやくも離婚危機であることが報じられ注目を集めています。
井岡さんと谷村さんの結婚といえば、交際当初から井岡さんのジム会長である実父から反対されていたことがたびたび報じられていました。その流れからの短期間での離婚危機ですから、各方面から「やっぱりね!」といった声があがっています。
たしかに「親の反対を押し切った結婚は、親によっぽどの問題がない限り上手くいかない」という意見は広く知られています。でも、なぜ親の反対を押し切ると駄目なのか。そこには親に良くも悪くも影響され、支配された子ども側の複雑な心があるからだと思うのです。
■子どもは良くも悪くも親の存在に支配される生き物
ここでいう“支配”とは、子が親の影響を受けたり、親の意見に左右されたりするという意味での支配です。
親がいわゆる“毒親”といわれる問題のある存在であれば子の精神や人生に悪影響が出るのは当然としても、普通の親も場合によっては過干渉ギリギリのラインを歩いている親子もよく見かけます。
恋愛に関する親の支配の代表はやはり恋愛や結婚相手の良し悪しを親がジャッジすることや、結婚した後の生活スタイルに親が口出しすることでしょう。
親としては“子が安定していちばん幸せな道を歩むこと”を望んでの助言のはずなのに、“子が今いちばんどうしたいのか”を後回しにしてしまう。そういった優しさの行き違いは、恋愛における子ども側の苦悩や反発を生み出すのです。
■親の反対を押し切った後に起きる子どもの恋愛での葛藤
子どもというのは眼の前に親がいてもいなくても、親の存在を感じ、いくつになっても自分の中で親子関係を正しく消化しようとする生き物です。
そういう性質があるということをわかった上で“親の反対を押し切って結婚する”という行為をみると、結婚を決めた後で子ども側に大きな精神的負担がかかるとみなさんも分かるかと思います。
たとえば親を拒否して結婚したあるカップルは、結婚生活が始まると「あのとき無理やり決めてよかったのか?」と夫婦喧嘩が起きるたびに思うといいます。
自分の選択が信じられず、場合によっては反対した親にまたよりかかってしまう。そして親は離婚しろと今度は後押ししてくる。こうなると心のバランスが崩れてしまい、離婚してもいいかなと思う人が出てくるのは自然な流れといえるでしょう。
■井岡さんはただ1回休みたかっただけ?
今回の谷村さんと井岡さんの交際から結婚から離婚危機報道の流れを見るに、個人的には井岡さんがボクシングという過酷で危険な世界から少しだけ休みたかっただけなのでは……と感じます。
そこへ谷村さんという明るく心休まる存在とたまたま出会った。でも父親としては、選手としていい時期を恋愛に使って休むことを許さなかった。そう思ったら、なんだか切なくて仕方ありません。
2人が今後どうなるかわかりませんが、「病めるときも健やかなるときも愛し合うこと」なんていいます。夫婦は本当に休みたいと思っているときも頑張りたいと思うときも、いっしょに添い遂げられることが重要です。
井岡さんは今年7月に復帰を宣言。谷村さんも歌手活動再開を宣言しています。大事なことは、2人がそれぞれ新たな活躍と幸せを手にすること。親と子どもの幸せは、いつの時代も難しい問題なのです。
(文・イラスト:おおしまりえ)