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「実家は酒屋なのでビシッとスーツを着た会社員には縁遠かったのですが、“ザ・サラリーマン”の代表作といえる『黄昏流星群』の主役をやれたのは、今年50歳の大台を迎え、いい経験になりました」

 

10月スタートの連続ドラマ『黄昏流星群』(フジテレビ系)の打ち上げが、放送開始前の9月18日に行われた。東京湾を巡る屋形船を貸し切る会場で、冒頭の挨拶をしたのが主役の佐々木蔵之介(50)だ。押しも押されもせぬ人気俳優の佐々木だが、50歳になった今もなお独身。そして先日、そんな彼が“終活”を始めたと告白したことが話題になっている。

 

《実は、父が亡くなってから、自分の終活についても少しずつ意識するようになりました。たとえば私は結婚していないので、生命保険の受取はどうするか》(『ソナエ』18年9月13日発売号)

 

父の勝也さん(享年83)が16年10月に胃がんで急逝してから2年。尊敬してやまない父の死が、生き方を見つめ直すきっかけになっていたのだ――。本誌は、彼の実家が営む京都の酒造会社「佐々木酒造」を訪れた。店頭に杉玉が吊るされ、創業125年の歴史を誇る店構えだ。近所に住む一家の知人は、酒蔵の当主だった父・勝也さんと蔵之介の親子関係についてこう明かす。

 

「長男は建築の道に進んだため、次男の蔵之介さんが後を継ぐものと本人も周囲も思っていました。お父さんは『神戸大学の農学部に入って、醸造のことを勉強してるんや』と、蔵之介さんのことをうれしそうに話していたんです。それが突然、蔵之介さんが役者になると言い出して……。もちろん、お父さんは大反対。周囲には何も言わなかったけれど、とても寂しそうでしたね」(前出・知人)

 

勝也さんの反対を押し切り“勘当同然”となった佐々木は、一心不乱に芝居に打ち込んできた。

 

「佐々木酒造と縁を切るからには、どんな苦労をしても役者をまっとうする――。その一心で、売れない時代も歯を食いしばってきたのでしょう。いつか父に認められるようにと、わき目もふらず芝居一筋の日々。だからこそ、結婚しないまま50歳を迎えることになったんだと思います。数年前には雑誌のインタビューに『当分の間、結婚はしません』と口にしたこともありました」(演劇関係者)

 

役者として大成するまで、結婚はしない!突然の“終活告白”のカゲには、そんな“父との約束”があったのだろうか。役者デビュー以来父と疎遠だった佐々木だが、00年のNHK朝ドラ『オードリー』出演をきっかけに父子関係は変化したという。

 

「蔵之介さんが朝ドラに出て一躍有名になられて、お父さんは題名と同じ『オードリー』というお酒を売り出したんです(笑)。以来、蔵之介さんの舞台があれば、お父さんは全部観に行かれていました。店には出演作のポスターをいつも貼っていて、息子の活躍が嬉しくて仕方なかったのでしょう」(近所の住人)

 

そんな勝也さんが病に倒れてからは、佐々木の孝行息子ぶりが目撃されている。

 

「家の前で蔵之介さんがお父さんを乗せた車椅子を押している姿をときどき見かけました。入院後は、仕事の合間を縫っては京都に帰ってきて、お父さんのお見舞いに来ていたそうです」(前出・近所の住人)

 

佐々木は雑誌のインタビューに、父と自分の“共通点”をこう語っている。

 

《酒も、じっくりと発酵させ、そこから幾つもの工程を積み重ね、時には失敗もあって、それを乗り越えた先にようやく美味いと思えるものができる。そう考えると、酒造りに一生を注いだ父の生き方は、僕が理想とする役者人生そのものなんです》(『週刊現代18年1月13日号』)

 

この日の打ち上げでは、役者として、そして男としての“発酵”を祝して、天国の父と盃を交わしていたのかもしれない――。

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