「希林さんが愛用していた携帯電話を、今は孫の雅樂さんが愛用しているそうです。“おばあちゃんの形見だから”と大切に使っていると聞いています」(仕事関係者)
樹木希林さん(享年75)が逝去して4カ月あまり。単行本『一切なりゆき~樹木希林のことば~』(文春新書)が50万部超のベストセラーとなり、出演作『万引き家族』もアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされるなど、その影響力は一向に衰えることがない。
樹木さんは急逝2カ月前、パリコレでUTAとしてデビューした雅樂(21)について本誌の直撃取材に応じてくれていた。
「昔からやたらと背が高かったから。かもいに頭をぶつけるだけじゃなく、何か利用方法はないものかね、と前から私は言っていたんです。そういう意味では、モデルという仕事も“利用方法”の1つですよね」
現在、雅樂も、映画『あん』(15年)で共演した孫娘・伽羅(19)も海外に留学中だ。樹木さんに、なかなか孫たちに会えずに寂しくないですか? と聞いた際は、「全然寂しくない。孫は元気で海外がいいってね。孫たちと同居するとゴミが増えるだけですから。私はゴミ出し担当なんで大変なんですよ」と冗談を交えながら淡々と話していた。
だが本木雅弘(53)の実母は樹木さんの死後、自宅を訪れ驚いたと本誌に語っている。
「希林さんは、ふだんは孫たちの話もあまりしなかったと思うんです。でも、やっぱり大好きだったんですね。家中に3人の孫たちの写真とか、誕生日にもらったメッセージカードとか貼ってあったんです。孫たちが私にも1枚1枚説明してくれました」
樹木さんの知人は、特に伽羅には特別な“形見”を残したと語る。
「希林さんは昔から不動産投資の達人で、都内各所に物件を多数、持っていました。ちょうど伽羅さんとの初共演映画『あん』が公開された時期に、夫・内田裕也さん(79)が住むマンションに“空室”が出ることを知ったそうです。そこで本木さんと也哉子さんとも相談し、英国留学中の伽羅さんに、その一室を持たせることにしたんです」
東京都内にある風格漂うマンション。この部屋はコンパクトな一室ながら、今の評価額でも4千万円以上するという。希林さんが不動産の目利きだったことは親交の深かった浅田美代子(62)も認めている。浅田が千葉県内に別荘を購入するときのことを本誌にこう語っている。
「わざわざ千葉まで一緒に来てくれて、『ものすごくいいところじゃない!』と希林さんのほうが気に入っちゃった。悩む必要なんかないわよ、と購入を決めました」
この物件を、樹木さんはどうして孫・伽羅に託したのか。
「それは夫のことを気にしていたからでしょう。希林さんは『孫娘が日本にたまに戻ってきたときに、裕也さんの様子を気にしてくれるといいな』と考えていたそうです。がん闘病中で自らの体力に不安を感じていただけに、自分が先立った後のことが心配でならなかったのでしょう。『裕也さんを頼むわね』という“生前整理”です。孫の顔を見られることは、裕也さんにとっても“明日への活力”になりますからね」
この知人によると、もともとこの一室は樹木さんの所有だったが、一度手放したという。だが、70代半ばとなった裕也のことを考え、“買い戻す”決断をしたようだ。夫への「準備万端の終活」が、この一室からもうかがい知れる。
樹木さんは生前、本誌がインタビューをお願いした際、“ここで撮影を”と要望を受けたことが。それが今、樹木さんが眠る東京都港区内の光林寺だった。墓石には「内田家代々之墓」と刻まれていた。
「私はね、死ぬまで、このお墓を守りとおしていかなければならないんです」
そう言って手を合わせていた樹木さん。「内田家の妻」として、全身全霊で一族を支え続けるという確固たる信念が貫かれていた――。