「占いで、今年は決断の年と言われたの。10年間は安泰だって」
4月上旬、都心の高級ホテルのロビーで独特の低い声が響いた。同じ劇団に所属する俳優で夫の土屋良太(51)と4月1日に離婚を発表したばかりの、渡辺えり(64)だ。
2人が結婚したのは96年。渡辺が旗揚げした劇団内でご法度だった恋愛で、彼女からプロポーズ。当時、13歳の年の差婚が話題になった。
「結婚後も2人の収入格差は埋まらず、願っていた子どもを授かることもありませんでしたが、それでも2人は一緒にいることを選びました」(芸能関係者)
円満だった2人の、突然すぎる熟年離婚。夫婦の間に何が起こっていたのだろうか。
「13年に、えりさんと27歳年下俳優の不倫が報じられたんです。お相手の吉田侑生さん(37)は、夫の土屋さんと同じ劇団員で、えりさんの運転手や荷物持ちをしていました。この報道を受けて、土屋さんは自分より若い俳優と親密になったことにかなりショックを受けたそうです。報道後、土屋さんは自宅近くにマンションを借り、別居生活が始まりました。それからも土屋さんが別宅マンションにいる時間が増え、この4~5年はずっと上手くいっていなかったようです」(劇団関係者)
本誌が都内のホテルで渡辺を目撃した日、打ち合わせをしていた男女2人はどうやらリフォーム業者だったようだ。デザインパターンを見ながら、壁紙や床のタイル、木材などについての説明を熱心に聞いていた。
彼女は目を輝かせながら理想の内装についてこう話す。
「この、黄色いキッチンがお気に入りなの。この前買った黄色のカーテンを試しにつけてみたら、落ち着いて寝られたわ。あと、玄関の大理石のところには絵を飾りたいわねぇ」
23年連れ添った夫との離婚を機に、心機一転、自宅の大改装を決めたのだろう。
「えりさんはこれまでも、なにかの転機のたびに引っ越したり、リフォームをしたりしてきました。占いや風水などにもこだわっているようで、黄色のキッチンも、運気アップの意味があるのでしょう」(渡辺の知人)
前出の知人によると、もうひとつ、彼女が大改装を決めた理由があるという。
「えりさんは、両親が2人とも認知症を発症していて、施設に入っていることを雑誌のインタビューなどで明かしています。お母さんが認知症を発症したのは70代で『自分もいつ認知症になるか分からない』と、不安に思っているみたいなんです。そうした事情もあり、えりさんは還暦を迎えたころから、生前整理など“終活”を意識するようになりました。とくに離婚となると、頼れるのは最終的に頼れるのは自分ひとり。今回のリフォームも、“老後ひとりでも快適に生きていけるように”と考えているのではないでしょうか」
夫婦問題カウンセラーの高草木陽光さんは、熟年離婚後のリフォームについてこう解説する。
「離婚後に自宅をリフォームする女性の多くが50代以降です。目的は人それぞれですが、手すりをつけてバリアフリーにするなど、老後を考えてリフォームする人も増えています」
前出の劇団関係者はこう明かす。
「えりさんに今後のことを聞いたら、『(劇団は)あと2~3年かな』と寂しそうに言っていました。さまざまな舞台で主演を張り、バラエティ番組にも引っ張りだこのえりさんですが、それもこれも劇団の赤字を返上するため。でも、さすがに毎月の舞台出演は体力的にかなり厳しくなってきているそうです。今後は徐々に仕事をセーブしていき、ゆっくりと余生を過ごしたいと思っているのでしょう」
離婚で始めた“おひとりさま終活”。冒頭で話していた占いのとおり“黄色いキッチン”が幸福を運んでくれるはず――。