昨年10月に逝去したイラストレーター・和田誠さん(享年83)が2月11日、雑誌『キネマ旬報』主催の「第93回キネマ旬報ベスト・テン」表彰式で特別賞を受賞した。特別賞とは「映画の素晴らしさや愉しさを広く伝え、多くの映画ファンを育てた功績に感謝をこめて」与えられる賞だ。
各メディアによると、授賞式には和田さんの妻で料理愛好家の平野レミさん(72)が代理で出席。レミさんは和田さんを「映画ばかり観ていた」と振り返り、「もう少し長く生きて賞を頂ければ最高だった」と偲んだという。ネット上では、和田さんに思いを馳せるレミさんの姿に感動する人々が――。
《平野レミのインタビューが素晴らしすぎて泣いた 本当すてきだった…》
《和田さんの話をする、平野レミさん。ずーっと上を見ながらのお話。涙。涙。頑張って欲しい》
《いい話だ。普段、TVで明るく快活に話される平野レミさんを知っているだけに、余計にグッとくるな》
イラストレーターや作家としてだけでなく、映画界でも活躍していた和田さん。84年に監督・脚本を担当した映画『麻雀放浪記』は、19年に『麻雀放浪記2020』(白石和彌監督)としてリメイクされた。88年に監督を務めた映画『快盗ルビイ』では、ブルーリボン賞監督賞を受賞した。和田さんはその後も、『怖がる人々』(94年)や『真夜中まで』(99年)といった作品を残した。そんな和田さんには、映画を監督する際には“あるこだわり”があったという。
「和田さんにとって、撮影現場と絵コンテは連動していたようです。現場スタッフに撮影イメージを伝えるために、膨大な量の絵コンテを自ら描いていました。またクランクアップの間際には、感謝の気持ちを込めて何十人もいるスタッフ全員の似顔絵も描いていたと聞きました。その絵を人数分コピーして、打ち上げでプレゼントしていたようです」(映画関係者)
和田さんのイラストレーターとしての手腕は、映画にも活かされていたようだ――。