芸能人のコスプレを見ていて感じるのが、「結局自分押しかよ」という印象です。
竹を咥えた自分可愛いでしょ? 剣を持った自分かっこいいでしょ? が勝りすぎて、作品への愛や再現性の高さを見ることができない人も多いもの……。
しかしこのブームに全力で便乗する軽やかな姿勢こそ、タレントにとって実はなくてはならない姿勢かもと思えてきます。
なぜならコスプレ姿を披露してにわかと批判されたとしても、話題の大きさという成果を獲得できる。そのため、ネガティブな声も結局は自身のプラスに繋がるのです。
絵を書き、コスプレ姿を披露し、そして作品に対してもっともらしい語りをしてみる。それがたとえ薄っぺらく、クオリティが低くても、怒られたとしても、自分の価値はよっぽどのことがない限り下がることはありません。
普通の人ならブームに対して何かしらのアウトプットを考えたとき、おそらく「にわかだと思われないか」「ファンに怒られないか」「きちんとしたものを出さなければ」といった守りの視点を持つもの。なるべく完璧な準備をして望みたいと思うことでしょう。
しかし芸能人のこの“にわかだろうがなんだろうが、適切な時に何でもいいから今できるアウトプットをする”という軽やかさは、かなり勇気のいることなのではないでしょうか。