東京五輪・パラリンピックの開会式まで、残すところあと4カ月。そんななか17日に『文春オンライン』で、開会式の演出で渡辺直美(33)をめぐり侮辱的な計画がなされていたことが報じられた。
記事によると、開会式の企画・演出を指揮する総合統括の佐々木宏氏(66)が昨年3月、渡辺の容姿を“ブタ”と揶揄するような演出プランをグループLINEで提案したというのだ。しかし他のメンバーから「理解できない」などと強く反対され、撤回になったという。
同誌の取材に対して、「僕はすぐにダジャレを言うので、口が滑った」と答えた佐々木氏。報道を受け同日、およそ3,000文字に及ぶ謝罪文とともに辞任の意向を表明した。
開会式を牽引する立場でありながら、“スピード辞任”で幕引きを図ろうとした佐々木氏。五輪をめぐっては、先月に組織委の森喜朗前会長(83)が差別的発言をしたとして辞任したばかり。トップ陣の相次ぐ失言トラブルに、《もう世界から失笑だよ》《日本国民として本当に恥ずかしい》などと辛辣な声が広がっている。
そもそも18年7月、総合統括に就任したのは狂言師・野村萬斎(54)だった。野村を筆頭に、佐々木氏や演出振付家のMIKIKO氏(44)、ミュージシャンの椎名林檎(42)、映画プロデューサーの川村元気氏(42)ら8人で構成されていた。
昨年12月15日に配信された中日スポーツのインタビューで野村は、新型コロナによって演出も簡素化されることについて、「歓迎される式典じゃなければいけないし、コロナの中で、あえてやる式典を意義あるものしたい」と意気込んでいた。
また「具体的にどう変わるのか?」という問いに対して、「個人的には、いろいろな意味でコマーシャリズムがのった五輪を、元に戻すチャンスにしたらいいかなと僕は思っている」とコメント。そして、「理念を再び取り戻す。五輪、パラリンピックをやる意味は何なんだと」「人間として平等という理念が基本的にある。ただのお祭り騒ぎではない」とも語っていた。
しかし、そのインタビューから約1週間後の昨年12月23日、組織委は野村のチームを解散すると発表。野村を組織委のアドバイザーに就かせ、パラリンピックの演出統括だった佐々木氏を総合統括に据え置いた。野村氏は会見で「作り上げてきた段階で白紙というか……」と言葉を濁し、「苦渋の決断」とコメントしていた。
「互いを尊重し、偏見をなくす」「スポーツを通じて世界平和を構築する」と掲げられているオリンピック理念。それを体現しようとしていた野村の存在を、惜しむ声が上がっている。
《自浄作用が働いてよかったよ。野村萬斎氏だったら、こんなこと、かけらも考えなかっただろうな》
《野村萬斎、椎名林檎、MIKIKO先生の開閉会式が見たかったなぁ》
《辞めると言っても、式の演出はそのままなのかな? もちろん極秘なんだろうけど、そういう人が考えたものじゃ、問題ある内容なんじゃないのかな……絶対やるなら野村萬斎さんに戻って欲しい》