「橋田さんの納骨式は4月9日に、愛媛県今治市内のお寺で執り行われました。このお寺には彼女のご両親も眠っています。遺骨は熱海の自宅からバスで現地に向かったのです。橋田文化財団のスタッフ、地元で交流のあった人たち、そして泉ピン子らが付き添いました……」
そう語るのは、テレビプロデューサーの石井ふく子さん(94)。石井さんは4月4日に急性リンパ腫で逝去した橋田壽賀子さん(享年95)とは、公私にわたり親しく交流してきた“盟友”だ。
橋田さんの逝去は多くの人々に衝撃を与えた。彼女を“ママ”と慕い続けた泉ピン子(73)は本誌にこう語っている。
「ママはたった一人の恩師であり、泉ピン子を見いだしてくれた恩人です。いまは何だか夢の中にいるみたいです。気も張っていて、ママがいなくなったなんて思えない。しばらくは何げなく電話をかけようとして、ふといないことに気づく、そんな日々が続くと思います」
石井ふく子さんも毎日1時間以上、橋田さんと電話をするのが日課になっていたという。
「秋には『渡る世間は鬼ばかり』(TBS系)の新作も放送予定で、7月には稽古に入ることになっていました。病院にお見舞いに行ったときや電話で、橋田さんは新作の構想を話してくれました。コロナ禍のためにストレスがたまった家族たちの物語です。軋轢がありながらも、『結末はハッピーエンドになる構成にしましょう』と、橋田さんは言っていたのです。最後の電話でも『渡鬼(の脚本)は大丈夫だから』と……」