事故をスポンサーが敬遠…『全員集合』が2度と生まれない理由
画像を見る 『東村山音頭』や「早口言葉」を生みだした「少年少女合唱隊」のコーナー

 

■「生放送ならではの迫力やハプニングが!」

 

「こうしたライブ感が『全員集合』の魅力でした。毎週、キャラバンのように全国各地の会場へ道具を運び、大掛かりなセットを組んで、多くのお客さんを集める。さらにドリフはビートルズ来日時(’66年)、前座バンドの1つを務めたほど。『全員集合』でも音楽的要素を大切にしており、アイドルたちは楽団による生演奏で歌を披露しました。予算もさることながら、いかりや長介さんという絶対的なリーダーがいて、綿密なリハーサルを行い、計算がされていたからこそ、決められた放送時間内で進行することができたのでしょう」

 

もちろん、万全の準備をしてもハプニングが起こる。

 

「コントから歌のコーナーへと舞台転換するとき、スムーズに行かず、アイドルが少し困った顔をしていたのも、ライブの魅力。会場が停電になり、真っ暗なまま生放送が進んだこともあります」

 

こうしたライブ感こそが、地上波テレビの醍醐味だという。

 

「インターネット配信の番組や動画に慣れたいまの時代、テレビの魅力は『全員集合』のような生放送の、迫力やハプニング。明石家さんまさんも、そんな側面から生放送にこだわりがあるようです。でも事故も起こりやすいので、スポンサーは敬遠しがち。経費も莫大にかかる。残念ながら『全員集合』のような番組が現れることは、もうないかもしれません」

マーケティングライター、世代・トレンド評論家

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