■親族に無断で墓建立した支援者が語った真相
「私が独断で、お墓を準備していたわけじゃありません。千葉さんご本人が、『あそこの寺がいい』と、東京都内にある寺を希望されたんです。そこで私が、その寺の住職を千葉さんに紹介したらお互いにすごく気が合ったんです。もともと千葉さんは別の宗派だったんですが、それをきっかけに改宗したんです」
Oさんは、千葉さんがその寺のお墓を望んだ理由をこう話す。
「千葉さんは、富士山が大好きでしたから……。そのお墓は、富士山が一望できる場所にあります。皆さんには、『千葉さんのご意向に従ったことをしましょう』と話しているのですが……」(前出・Oさん)
だが、千葉さんの愛弟子で、最期を看取ったJAC(ジャパンアクションクラブ)代表の西田真吾さんに尋ねると、「(墓のことは)まだ決まっていません」と話す。
千葉さんが急に天国へ旅立ったということもあってか、遺言書は残されていないという。
「少し前に会ったとき、オヤジはすこぶる元気で、『また映画を作る!』と言っていた人が、遺言なんて作っているはずがありませんよ」(前出・若山騎一郎)
新しい墓の建立を聞かされていたというのはOさんだけ。遺族たちは困惑しているというのだ。千葉さんのように急に亡くなり、遺言書などがないために、残された家族が困るケースは少なくないと話すのは、家族問題評論家の池内ひろ美さんだ。
「借金は相続放棄すればいいのですが、そうすると家などの不動産や遺品も相続できないので、“やっぱり放棄しない”と言って揉める、ということもあるんです。ですので、親は元気なうちから”エンディングノート”をつけておくことで、相続やお墓の問題などでトラブルを回避することができます。どんな親も、自分の死後に子供たちが揉めることは望みませんから……」
予期せず旅立った千葉さんも、混乱が長引くことはけっして望んでいないはずだ――。