「初日の香川さんは朝3時入り。よく眠れなかったようで、興奮状態でした。最初は声がかすれ気味でしたから直前まで自宅でも練習していたようです」(TBS関係者)
10月1日、朝の新情報番組『THE TIME,』(TBS系)がスタート。メインの安住紳一郎アナ(48)とともにこの日、キャスターを務めたのが、胸に初心者マークをつけた香川照之(55)だ。緊張感ある初のキャスター業は自ら望んだわけではなかったそう。
「前任の夏目三久さん(37)が引退し、局は後任に大看板・安住アナを起用。しかし、安住アナは土日にも生放送のレギュラー番組を持っており、休みなしになってしまう。そこで、安住アナが金曜日の代役として上層部に香川さんを推薦したことでオファーに至ったといいます」(前出・TBS関係者)
実は『THE TIME,』のスタッフチームは安住アナが18年半司会を務めた『ぴったんこカン・カン』のスタッフが中心だという。
「香川さんは同番組の準レギュラー的存在でした。安住アナとスタッフの信頼が厚く、白羽の矢が立ったのです」(前出・TBS関係者)
8日放送から金曜日は香川のみの出演となる。役者業、市川中車、またカマキリ先生として多忙すぎる彼がなぜ金曜の早朝から重責をあえて担うのだろうか?
「香川さんはTBSに恩義を感じているからに尽きます。基本的にTBSからのオファーは断らないようにしているとか。役者になる前、同局『日曜劇場』のADをやっていたんです」(映像関係者)
香川は、役者になろうと決めた東京大学4年生時のことを’15年2月のラジオ番組でこう語っている。
「この世界に入ったことなかったんで、ちょっと母親に頼んだら、石井ふく子先生に頼んで。『ADをやってみたらどうか?』と……」
シングルマザーとして香川を育てた母・浜木綿子(85)が、同局プロデューサー・石井ふく子さん(95)に息子を託したというのだ。そこには、意外な思惑が……。
「浜さんは当初、息子の芸能界入りには大反対でした。そこで懇意の石井さんに相談して、“過酷さを知れば諦めてくれる”と考えたそうです。実際、泉ピン子さんにはよく怒られていたとか。それが逆効果となり、香川さんが『ADはつらすぎるから役者として出るほうが楽!』と考えるようになったそうです」(テレビ局関係者)
数カ月のAD修業を経て俳優へと進んだ彼は、『渡る世間は鬼ばかり』などの石井さんプロデュース作に出演。近年は『半沢直樹』など『日曜劇場』の常連にまでーー。結果的にTBSへの橋渡しをした浜も、香川の出演作は定期的にチェックしているという。
「現在、浜さんはご体調のこともあり表舞台には出ていませんが、彼の出演番組の感想をメールすることもあるそうです」(舞台関係者)
香川は“2人の母”への恩返しのためにもまた新たな分野に挑む。