2022年1月に東京・新橋演舞場にて上演されることが発表された新作歌舞伎『プペル~天明の護美人間~』。大ヒットした映画の歌舞伎化とあって大きな話題を呼ぶなか、一部の歌舞伎ファンからは批判を浴びているのだ。
各メディアによると、原作は、お笑いコンビ・キングコングの西野亮廣(41)が製作総指揮などを手掛けたアニメーション『映画 えんとつ町のプペル』。主人公のプペルは歌舞伎俳優の市川海老蔵(43)が演じ、玄(げん・絵本ではルビッチ)は市川ぼたんと堀越勸玄が交互に演じると報じられている。
また海老蔵は意気込みについて次のようにコメントしたという。
「西野さんとはご縁があり、『現代の世では難しくなりつつある、信念と共に諦めない想いを歌舞伎として描きたい』と熱望させて頂きました。この作品によって、皆さまに少しでも前向きな思いや勇気づけられましたらうれしく思います」
展開するオンラインサロンの会員数が5万人を超えるなど、一部で絶大な人気を誇る西野。それだけに彼の代表作の歌舞伎化には多くのファンが快哉を叫んだ。
《確かにこれはヤバい。やっと発表されて嬉しい。》
《西野さんの惜しみないエンタメ魂にワクワク堪らん》
しかし、いっぽうで歌舞伎文化を愛する人からは批判の声も……。
「公開された公演ポスターには海老蔵さん、ぼたんさん、勸玄さんの3人の名前が同じ大きさで並んでいます。しかし、歌舞伎界の常識では、まだキャリアも実績もないぼたんさんと勸玄さんが海老蔵さんと同じ大きさで同列に名前が並ぶのは異例なんです。いくらお子さんとはいえ、“さすがにちょっと……”と困惑するファンは少なくありません」(芸能関係者)
歌舞伎ファンが困惑する最たる例はチケットの値段だ。SS席から7段階にランク分けされている座席だが、SS席は3万円。2階最前列のS席も2万円という設定だ。しかし、3万円ほどのチケットはなかなかお目にかかれないという。
たとえば、東京・歌舞伎座で2021年10月現在上演中の「十月大歌舞伎」で、最も高額な一等席で1万5千円。大阪・松竹座で上演中の「十月花形歌舞伎GOEMON」の一等席は1万4千円と、プペルの半額だ。こうした業界の“常識”を覆すプペルに違和感を表明する歌舞伎ファンが続出している。
《プペル歌舞伎のチケット、普段の歌舞伎の倍額くらいでビビる》
《なぜこの値段設計なんだろ? 肌感覚的に違和感が拭えない》
《プペル歌舞伎で歌舞伎クラスタの方たちが「(自分の)贔屓が関わりませんように」って言ってるのが全てを物語っている》
話題作の歌舞伎化。意気込みで語った「前向きな思い」は届けられるだろうか。