2022年春をもって終了することが発表された坂上忍(54)司会の『バイキングMORE』(フジテレビ系)。長年、同局の名物番組だった『笑っていいとも!』の後継番組として、2014年に『バイキング』としてスタート。
当初、坂上は月曜日だけの司会だったが、1年後のリニューアルで月曜日から金曜日までを担当することに。番組内容も最初の生活情報モノからスタジオで時事ネタを討論するトークスタイルに変化していった。
そして、昨年秋からは現タイトルとなり、放送時間も約3時間と長くなっていただけに、番組終了という決定に、局内に衝撃が走った。
「番組が終わることについては、坂上さんが局にライフワークでもある『動物の保護活動に注力したい』と自ら“卒業”を申し出たと発表されています。
しかし実際は、番組内での坂上さんのコメントが、“上から目線”“偉そう”などといった批判がSNSを中心に噴出しがちで、局上層部が番組内容や坂上さんの発言に眉をひそめていましたから、『バイキング』の局内での立場は、年々厳しいものになっていたことも大きいです。
ただ、番組終了の一番の決定打は、コロナ禍によるフジテレビの業績悪化です。フジテレビホールディングスの2021年3月期決算は5,199億円と前期比17.7%減。営業利益162億円で同38.2%減、純利益は101億円と75.5%の大幅減益で、ほかの民放キー局と比べて、最も連結売上高の落ち込みは激しいものでした。
他局でも、大御所のビートたけしさんや上沼恵美子さんも長年続けていたレギュラーからの降板が発表されていますが、フジは50代社員に向けて希望退職を募っているくらいの状況。もはやウチには、坂上さんに週5回の帯番組のギャラを払える経営体力がなくなっているのです」(フジテレビ局員)
かつては、タモリの『笑っていいとも!』の後継番組として始まった『バイキング』だったが……。
「これまでの『いいとも!』や『バイキング』には、大きな制作費が投じられてきましたが、もう同じような番組内容が作れる状況にありません。
現在、急ピッチで来年春の企画を詰めている最中で、もっとも有力なのは、フジのアナウンサーが司会を務める情報番組を新たにスタートする案が浮上しています。
その内容も、批判の多かった『バイキング』のようなワイドショー形式ではなく、じわじわ人気を集めているTBS朝番組『ラヴィット!』のように、ニュースを取り上げないバラエティ色の強い生活情報番組を作れないかと、局内で議論が進んでいます。
番組のMCを局アナが務めれば、芸能人へのギャラに割いていた制作費を大幅に節約できます。現段階で有力なのは、蝶ネクタイがトレードマークの軽部真一アナ(59)と、嫌味がなく実力派として局内での評価が高い山崎夕貴アナ(34)の2人の起用です。
2人ともこれまで大きなスキャンダルもないし、安心して任せられるという点から、どうにか“白羽の矢”が立てられないものかと調整が進んでいます」(フジ中堅局員)
かつては売上高や視聴率で、民放キー局トップだったフジテレビも、時代の波には抗えないというわけか――。