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「同じ役をやり続けるなんて、私にとっては恐怖でしかない。父には尊敬しかないです」

 

こう松たか子(44)が語ったのは、実父・松本白鸚(79)が主演を務めるミュージカル『ラ・マンチャの男』の製作発表会見だった。

 

2月28日の公演を最後に、53年間続いた舞台が幕を下ろす。10年ぶりにヒロインを松が務めることが話題を呼んでいるが、ある舞台関係者はこう語るーー。

 

「松さんが“恐怖”と言ったのは、違う意味もあるんですよ」

 

一体どういうことか。製作発表会見で、白鸚はこう発言している。

 

「あるとき、『ノン・ムエラ』と客席から聞こえたときはドキッとしました。それはスペイン語で『死なないで』という意味で……」

 

前出の舞台関係者は、続けてこう振り返る。

 

「そう話す白鸚さんの横で、松さんは“また始まったか……”というような、戦慄した表情を浮かべていました。あまり知られてはいませんが、白鸚さんは”聞こえる人”なんです」

 

じつは白鸚は“先祖の霊と話す”こともできると、最近のインタビューで明かしている。

 

《楽屋風呂の湯船に浸かってぼやーっとする時間が好きですね。そこで霊界通信をする(中略)今日はうまくできなくてすみませんでした、ってご先祖さまに謝ると、『お前はまだうまいとか下手とか言ってる段階じゃない、とば口、とば口』って言われるんです。母方祖父の初代吉右衛門の声でしたね》(『婦人公論』2022年2月号)

 

先祖だけではなく、白鸚には仏の声も聞こえるらしくーー。

 

「奈良の東大寺で『よく来たな。お前も出世したな』とはっきりとした声で大仏様に言われたと話していました」(歌舞伎関係者)

 

梨園の名門・高麗屋を率いる名人にとっては、人知を超えた存在との“交流”は40年来だという。

 

「白鸚さんが39歳のころ、父である初代白鸚さんに先立たれ、芸事を相談できる人がいなくなってしまい、梨園のなかでも白鸚さんの“超自然的な何か”への傾倒ぶりは並々ならぬものになりました。

 

昨年11月に弟の中村吉右衛門さんを亡くし、奥さんも体調を崩しがちで、なおのこと白鸚さんも神仏にすがりたい気持ちを強めているのかもしれません。

 

親子仲が悪いというわけではないのですが、子どもたちのなかでも松さんがいちばん実家に寄りつかない子でした。でも、白鸚さんのライフワークの幕引きを支えるのは自分しかいないと意気込んでいます」(前出・歌舞伎関係者)

 

“ご先祖”に見守られながら、父娘の舞台は有終の美を飾るーー。

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