東京新聞の望月記者(写真:アフロ) 画像を見る

《近年の政治事件をモチーフにしたこの作品は、きっと大きな議論を呼ぶことになるでしょう。メディア、官僚、市井の人々…それぞれの正義がせめぎ合う中、真実を追求する1人の記者が公文書改ざんの真相に迫る》

 

これは、1月13日から世界同時配信されているドラマ『新聞記者』(Netflix)の宣伝文句だ。センセーショナルな内容と俳優陣の熱演が大きな反響を呼んでいる。

 

同作がモチーフとしているいわゆる森友学園問題を厳しく追及してきた野党の政治家たちからも絶賛が相次いだ。

 

立憲民主党の蓮舫議員(54)は1月18日、こうツイート。

 

《新聞記者 話題の番組を観ました。素晴らしい俳優陣の危機迫る演技はさすがです。ドラマの本題は「事実」起こったことです。国政調査権さえも否定、公文書さえも改ざん。国会で取り上げると「他にやることがある」と激しい批判がSNSに集中との異常な空気。終わっていません。質します》

 

また日本共産党の志位和夫委員長(67)は同月22日、Twitterに《仕事の合間をぬって『新聞記者』をみています。米倉涼子さんはじめ出演者の演技に、胸が締めつけられる思いで、目が離せません。このような映画を世に送り出した方々に敬意を表します》と投稿。同党の小池晃議員(61)も同月16日に《Netflixで『新聞記者』見始めたら止まらない。脚本も凄すぎる。俳優さんたちも凄すぎる》とつづっている。

 

一部政治家からの支持も集めている本作だが、いっぽうで『文春オンライン』によって制作側の“改ざん疑惑”が報じられ、問題視されている。

 

同サイトによるとドラマ『新聞記者』のプロデューサーである河村光庸氏は’20年5月、制作にあたり、同名映画の原作者である『東京新聞』望月衣塑子氏とともに、森友学園の公文書改ざん事件に携わり、自ら命を絶った近畿財務局職員の夫・赤木俊夫さんを亡くした赤木雅子さんとZoomで話し合ったという。

 

しかし、河村氏の物言いなどに不信感を抱いた赤木さんは“財務省に散々真実を歪められてきたのに、また真実を歪められかねない”と協力を拒否。それでも河村氏は「あくまでフィクション」との理由で、赤木さん側の要望をほぼ受け入れずにドラマの制作を進め、配信直前の昨年末に都内で会談を開き、赤木さんに謝罪したという。

 

『文春オンライン』によると取材に対して河村氏は「Netflixのほうに聞いてください」と返答。しかしNetflixは「弊社よりお答えできることはございません」とコメントし、さらに望月氏は一切取材に応じなかったという。

 

この件について2月1日、赤木さんとの共著を出版している記者・相澤冬樹氏が『日刊SPA!』上で触れている。記事で相澤氏は「望月さんにお願いしたいのです。赤木雅子さんに連絡をとっていただけませんか?」と提案。そして「今からでもきちんと事情を説明してお詫びすれば、きっと受け入れてもらえると思います」とつづっている。

 

改ざんによって夫を亡くしたとされる赤木さんに、再び降りかかった“改ざん問題”。いっぽうこの件について、ドラマ『新聞記者』を絶賛していた前述の政治家たちはどう考えているのだろうか。

 

そこで本誌は前述の3議員に「文春の報道に対する感想は」「報道によって、ドラマ『新聞記者』に対する評価は変わったか」「制作側に対する意見や要望は」といった質問を送った。しかし、3議員とも締め切りまでに回答はなかった。

 

森友学園の疑惑を追及してきた3議員。果たして、絶賛したドラマの“疑惑”にはこのまま向き合わないのだろうかーー。

出典元:

WEB女性自身

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