■テレビ局の経費削減で「中堅芸人冬の時代」
安心感といえば、2代目『新婚さんいらっしゃい!』(テレビ朝日系)司会に4月から就任する藤井隆(49)にもあてはまる。
「桂文枝師匠にかわる新しい司会に求められたのは、面白さや若さに加え、フレッシュな新婚さんを迎え入れる、クリーンなイメージでした。スキャンダルの匂いは厳禁です。好感度が高く、愛妻家の藤井さんは“最適の代役”だったのです。藤井さんは『土曜はダメよ!』(読売テレビ)で03年から19年間レギュラーを務めていますが、現状では全国ネットのレギュラー番組をもっていませんでした。実は、吉本には、山口さんや藤井さんのように、実力も知名度も充分なのに、露出が一時期よりも減少しているアラフィフ芸人が少なくないのです」(制作関係者)
その理由は、テレビ局の経費削減が大きいという。
「制作費が年々削られている現状では、バラエティ番組の出演者には第7世代といわれる安価なギャラの若手を起用することが多くなりました。制作費に比較的ゆとりのあるゴールデンでは、明石家さんまさんやダウンタウンさんといった大御所クラスを替えるわけにはいかないので、50歳前後の“働き盛り”世代の芸人さんを起用する機会が年々減っているのです」(前出・制作関係者)
新型コロナ感染でレギュラー番組『ラヴィット!』(TBS系)を休んでいた川島明(43)の代役も、田村淳(48)、タカアンドトシ・トシ(45)、ブラックマヨネーズ・小杉竜一(48)ら、吉本の人気アラフィフ芸人。彼らも皆、視聴者から好意的に受け取られていた。
「田村淳さんには相方・亮さんの闇営業問題、“バラ売り”の難しいタカトシ、切れ味鋭いぶっちゃけ発言がコンプライアンスの問題等で難しくなったブラマヨなど、彼らには一時期に比べテレビ露出が少なくなっている現状があります。
同じ世代には次長課長、品川庄司、ガレッジセールらもいます。人気・実力を考えれば本来ならもっと彼らに脚光があたっていても不思議ではないのですが、現在のテレビ制作事情を考えると、知名度が高いゆえ、出演料も比較的高い実力派アラフィフ芸人には厳しい“冬の時代”は当面続くでしょう。
しかしながら、今回の“代役”でいまの視聴者から再評価されることで、制作側にも再起用の動きが出てくる可能性は十分にあります」(前出・制作関係者)
“代役”を機に、実力あるアラフィフ吉本芸人の逆襲が見られるかもしれないーー。