■14年前「やり方が乱暴だった」と話す田中に美輪明宏から“公開説教”も
ますます深刻化する労使トラブル。’94年に「花畑牧場」を開業してから、現在の規模に成長するまでは紆余曲折あった。
「もとはチーズの生産から始まりましたが、転機となったのは’07年に『生キャラメル』が大ヒットしたこと。タレントである田中さんの知名度も奏功し、メディアで大きく取り上げられ北海道みやげの定番となりました。ですが商売の成功とは裏腹に、田中さんは当時も従業員との間でトラブルがあったことを明かしていました」(テレビ局関係者)
それは’08年10月放送の『国分太一・美輪明宏・江原啓之のオーラの泉』(テレビ朝日系)に、田中がゲスト出演した時のこと。番組冒頭で「生キャラメル」が話題にのぼるなか、田中は「従業員が30人も辞めて、1人しか残らなかった」時期があったと打ち明けたのだ。
自らの素行に原因があったとして、「乱暴だったんですよ、自分が、やり方が。(従業員たちが)辞めていって、本当に当然だと思います」と振り返った田中。一時は牧場の閉鎖まで考えたというが、“最後の仲間”が彼を支えてくれたことで「従業員が3年で500人も増えた」と語っていた。
そんな経営者としての振る舞いを、美輪明宏(86)と江原啓之(57)から“公開説教”されたのだ。
美輪に「相手の気持ちを考えないで、自分の感情だけで物を言っていたのね」と投げかけられると、田中は「いや、全部そうでした。経営者としても、最悪でした」とコメント。
懺悔する田中の話に耳を傾ける美輪は、こう指摘したのだった。
「こうやってお話してると穏やかだけど、仕事のことで注意したりすると、ものすごくキツくおなりになるところが見えるのね。何気なく本当に一生懸命になって仕事のことを言ってるんだけど、それが向こうにとってはね、恨みになる人がいるのよね」
そして、神妙な顔で田中を諭した。
「会社が大きくなったらね、根性や精神論だけじゃ成立しないんですよ。あくまでも今度は、あなたの今までの情念、根性、そういうものは置いておいて、理性だけ。理性ですべて計算して、人心掌握術でカッときたときでも、いったん(怒りを)飲んで、改めて頭が冷えたところで、『これは、こうでこうだろう。だから、こうしなさいよ』と(冷静に説明する)。それが経営者の、つまり帝王学なんですよ」
また腑に落ちないことがあると、1人で農業団体に抗議しに行くとも明かしていた田中。江原からも「美輪さんがおっしゃった理性で、感情は抜いて、理性で会社もきちっとして」と、感情的になる性格を諌められていた。
経営者としての覚悟を諭されていた田中。今回のトラブルをめぐって“コミュニケーションの問題”にも言及しているが、美輪から授かった心得を生かして、騒動が早期に解決されることを願いたい。