3月18日、宝田明さんの急逝が報じられた。87歳だった。
宝田さんは肺炎のため、14日に都内の病院で息を引き取ったという。
’53年に東宝ニューフェイスの第6期生として俳優生活をスタートした宝田さん。翌’54年には特撮映画の名作『ゴジラ』の主演に抜擢され、高身長と二枚目のルックスで瞬く間にトップスターへと駆け上がった。
最近では、乃木坂46のメンバー・岩本蓮加(18)とダブル主演を務めた映画『世の中にたえて桜のなかりせば』が、4月1日に公開を控えていた。本作が宝田さんの遺作となった。
亡くなる4日前の10日には、本作の完成披露舞台あいさつに登壇したばかりだった宝田さん。その時の様子を、スポーツ紙記者が語る。
「長く患っていた腰痛が悪化したため、車いすでの出席となりました。それでも宝田さんは明るく元気に振る舞い、作品制作へのさらなる意欲を示していました。
宝田さんはロシアによるウクライナ侵攻にもふれ、『この現実を見た時に、もっと社会性を持った映画を作らなきゃいけないと思っています』と、語っていました」
宝田さんは昭和9年(1934年)に生まれ、多感な幼少期を戦時中の満州で過ごした。そこで見た光景は悲惨なものばかりだったという。