西島秀俊“民放ドラマ5年出演NG”時代も…アカデミー受賞までの過酷な下積み生活
画像を見る 『あすなろ白書』出演時の若かりし西島

 

■《30代は仕事が少なく悔しい思いをした》

 

もはや“無双状態”といえる西島。振り返れば、デビュー時から着実に知名度を上げてきた。デビュー作である『はぐれ刑事』では藤田まことさん(享年76)演じる主人公・安浦刑事らに交じり、新人刑事として登場。松田聖子(60)主演の『わたしってブスだったの?』(’93年)では、カメラマン助手役として聖子とラブシーンを演じて話題に。そして同年の月9『あすなろ白書』(フジテレビ系)でブレークを果たす。

 

「西島さんが演じたのは、女性にモテモテの御曹司でありながら筒井道隆さん演じる大学生・掛居に密かに恋心を抱く役でした。“報われない恋”に苦悩する難役を演じ切り、早くも演技派俳優として頭角を現したのです」(テレビウオッチャー・桧山珠美氏)

 

一躍脚光を浴びた西島。このまま順風満帆に進むと思いきや、一転、試練の道を歩むことに――。

 

「当時の西島さんは大手芸能事務所に所属していましたが、演技力で勝負したい西島さんと、“イケメン俳優路線”で売ろうとした所属事務所との方向性の違いが表面化。その結果、彼は’97年に現在の事務所に移籍しました。その“移籍条件”が『民放ドラマ5年間出演NG』だったと伝えられています。そのため西島さんは華やかなテレビドラマから離れ、小劇場や自主作品映画に出演していました」(テレビ局関係者)

 

自らの固い信念によって、俳優活動が制限されることに。20代後半の西島には焦りもあったはずだが、彼はこう回想している。

 

《20代、30代は仕事のない時期が長かったので、今は仕事があることが幸せで楽しくて仕方がない。現場が一番好きです。仕事がない頃には、毎日映画館へ行っていました。当時、黒沢清監督が映画館で3,000本以上観ているとおっしゃっていて。3,000本観るには、1日1本観ても10年近くかかる。今すぐ始めようと思いました》(『marie clarie』WEB 21.8.26)

 

一時は“引退危機”に瀕した彼が選んだ道は“映画館にひきこもること”だったのだ。

 

「映画を観るうちに自分を見つめ直す機会も増えたそうです。回り道をしたことで人間性も磨かれたといいます。西島さんは今では“周囲に気づかいのできる人”と業界でも評判です。『きのう何食べた?』の現場では、スタッフが用意した大量の食材をなるべく残さないように撮影後にも食べていました。

 

また、西島さんは現場の風通しをよくするため、年下の共演者に『ひで坊って呼んで!』と声をかけるんです。“いい現場作り”に意欲的なんです」(制作関係者)

 

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