■50年以上連れ添った妻・和枝さんとの出会い
ドラマへの出演は、’18年放送の『眠狂四郎 The Final』(フジテレビ系)が最後となった田村さん。晩年は表舞台から退き、隠居生活を送っていた。そんな田村さんを側で支え続けてきたのが、3歳年上の妻・和枝さんだった。
田村さんは、’70年に銀座の一流テーラーの娘である和枝さんと2年の交際を経て結婚。出会いは友人宅のパーティーだった。同年9月に本誌が取材した際、2人は互いの第一印象についてこう語っている。
「無心にゲームしてる彼がクールで純情そうで」(和枝さん)
「彼女は初対面から親切で気がついて」(田村さん)
結婚後も人気俳優として多忙な日々を過ごす田村さんだったが、和枝さんをロケ先に帯同することもあったという。テレビ局関係者が言う。
「’04年放送の『新ニューヨーク恋物語』(フジテレビ系)の撮影では、ご夫婦で半月あまりNYに滞在しました。ある日、2人でホテルのクラブで過ごしていると、人気ドラマ『刑事コロンボ』のコロンボ役を演じたピーター・フォークを和枝さんが発見。偶然にも同じ場に『古畑任三郎』と『コロンボ』が居合わせたことに、田村さんも大笑いしたというのは有名なエピソードです」
田村さんと和枝さんの間には、1人娘のAさんがいる。’01年にある企業の子息と結婚し、現在は社長夫人となっている。
かつて田村さんは週刊誌の対談で、《子供とはあまりつき合わないですね。子供が嫌いだから》(『ヤングレディ』’76年4月12・19日合併号)などと語っていた。
「田村さんは食事をする姿を人に見せないだけでなく、ガムの噛み方にまでこだわる人。そのような“美学”は家族観にも及びました。雑誌やテレビのインタビューでは、所帯臭さを感じさせないコメントを徹底していました」(芸能関係者)
しかしながら、実際には子煩悩な父親だったようだ。田村さんと30年ほど前から交流してきた仕事関係者は、本誌にこう語っていた。
「取材などでは“家族には関心がない”というスタイルを見せていましたが、本当はお嬢さんのことを溺愛していました。私にも娘がいたもので、『いくつになっても可愛いから甘やかしてしまう』といった話をすると、田村さんもしみじみと『本当は誰のところにも嫁がせたくなかったんだけど、いまでは良かったと思っているよ』と語ってくれました」