《映画監督としての自覚のなさ、周りの方々への配慮のなさを自覚し、今後のあり方を見直したいと思っております》
こうコメントしたのは映画監督の園子温(60)。「週刊女性PRIME」に性加害疑惑が報じられたことを受け、4月5日、園氏の映像製作会社「シオンプロダクション」公式サイトに直筆の謝罪文を掲載した。
記事では、複数の女優が、園氏が自作への出演を条件に性的関係を迫られたことを報じていた。しかし、園氏は冒頭の謝罪と同時に、「記事については事実と異なる点が多い」と主張し、「代理人を通じて然るべき措置を取る」としていた。
映画『愛のむきだし』『冷たい熱帯魚』など、話題作を送り出してきた園氏に報じられた性加害疑惑。ここ最近、日本の映画業界での女性への性加害が相次いで報じられている。
「3月9日には俳優で監督の榊英雄氏(51)が複数の女性にキャスティングを持ちかけて性的関係を強要してきたと『文春オンライン』に報じられました。同月25日に公開予定だった榊氏が監督を務めた映画『蜜月』は公開中止になりました。
23日には再び『文春オンライン』が、俳優で榊氏の盟友だという木下ほうか(58)の性加害を報道。演技指導を理由にして女優を自宅に呼び出し、関係を迫ったそうです。出演予定だったドラマ『正直不動産』は降板となりました」(芸能関係者)
さらに4月7日には『文春オンライン』が映画『ヒミズ』や『蛇にピアス』などをプロデュースした梅川治男氏(61)が女優に性的写真を要求していたと報じた。
相次ぐ日本映画界の醜聞。そのいっぽう、そうした事件を防ぐべく早くから尽力してきた俳優が。大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)で主演を務める小栗旬(39)だ。
「『鎌倉殿』では大河史上初めて、『リスペクトトレーニング』が導入されました。Netflixなど海外の制作現場では積極的に導入されているもので、主に撮影現場でハラスメントが起こることのないよう、クランクイン前に演者やスタッフ向けに行う講習会です。
小栗さんは以前から現場でのハラスメントなどを無くしたいと考えていたこともあって、導入することに諸手を挙げて賛成したといいます。実際の講習もかなり真剣に取り組んでいたそうです」(NHK関係者)
小栗はハラスメント問題以外にも、積極的に取り組んでいたという。
「小栗さんは以前、俳優による労働組合の必要性を訴えたことがあります。無名の俳優などは立場が弱く、たとえば所属事務所や制作会社とのトラブルにあった場合、厳しい境遇に陥ることを問題視していたといいます。また自身が出演する映画の現場でも、俳優やスタッフの健康を守るために、予定していた撮影時間を厳守してほしいとお願いをしたこともあるそうです。
小栗さんをはじめ、こうした先進的な行動がもっと業界内でも広がり、映画業界の意識が変わることを祈るばかりです」(映画関係者)