■自我が芽生えたころから、子供の意思を確認すべき
その上で、大人だけの視点で考えないことが重要だと説く。
「大人が想像する以上に、子供は“他者に自分のことが知られている”ということを大変嫌がります。親戚や近所の人の前で子供に関する些細な話をしても、『なんで言うの?』と不快に思うこともあります。子供にはそれぞれ独特の世界観があるわけで、それを脅かすような言動は大変嫌がられます。
そして子供の反応は、兄弟姉妹の間でもわかれるくらいそれぞれ違います。子供なので『嫌だ』と思う理由がうまく言えません。しかし、その『嫌だ』という感覚を大人は認めましょう。『大したことないのに、いいじゃん』と思うのは、身勝手な大人の言い分にすぎません」
‘16年2月、バイオリニストの高嶋ちさ子(53)がコラムで「息子が言うことを聞かないから、ゲーム機を壊した」というエピソードを明かしている。横山氏はこの件を引き合いに出す。
「恐らく、高嶋さんの息子さんも学校で“お前の母さんすごいな”なんて言われたりして話題になったのではないでしょうか。子供には子供のコミュニティーがあるので、そこで話題になることを嫌がることも当然あります。有名人でなくても話題になることはあるので、そういうところにも親は気をつけるべきです」
年を重ねるにつれ、子供は次第に繊細な年ごろになっていく。“コンテンツ化の上限”は果たしてあるのだろうか?
「まず物心ついた子供に、SNSなどで親が情報を公開するということがどういう意味を持つのかを説明しましょう。その上で『やめて』と断られたら、それが上限です。幼稚園の年長くらいからはっきりとした自我が芽生えますから、そのあたりから子供の意思を確認すべきです。
また、子供が大きくなってから『コンテンツ化されていた』と知ることで問題が生じる可能性もあります。『記録をつけてくれたんだ』と思う子供もいるでしょうが、『なぜ、こんなことをしたの?』と思う子供だっています。親の物差しで考えることが一番よくないです」