近年の『相棒』は“水谷とその相棒の物語”というイメージが強いが、もともとは“寺脇主演”を想定していたというのだ。
「同時期に水谷さん主演のドラマの企画があったことから、水谷さんが寺脇さんの相手役として『相棒』への出演が決まったのです。当時寺脇さんはオファーが相次いでいる時期でしたが、水谷さんのキャリアが考慮され、『相棒』はダブル主演となりました」(前出・テレビ朝日関係者)
寺脇が主演の座を半分譲るようにしてスタートした『相棒』。
実際に当初は水谷と寺脇が“同格扱い”だったと、テレビ誌ライターも言う。
「初期の『相棒』には『警視庁ふたりだけの特命係』というサブタイトルが付いていました。最初は水谷さんと寺脇さん、どちらにもスポットを当てた作品だったのです」
当時の水谷について、芸能関係者は次のように話す。
「水谷さんは熱血教師役を演じた主演ドラマ『熱中時代』シリーズ(日本テレビ系、’78〜’81年)が大ヒットし、役者としての地位を不動のものにしました。
ですが’90年代になると、連ドラ主演は『刑事貴族』シリーズ(日本テレビ系)のみ。作品になかなか恵まれない時期だったのです」
ただ、撮影現場では寺脇が水谷を立てるようにしていたという。
「寺脇さんが役者になったのは、水谷さんに憧れていたから。いわば師匠のような存在である水谷さんに対し、寺脇さんは常に敬意を持って接していました」(ドラマ関係者)
結果的に水谷にとって久々の連ドラ主演となった『相棒』は好評を博し、シリーズは長期化した。
「そもそも寺脇さんから始まった企画だったのだから、警視庁を退職し海外へ飛び立つという形で寺脇さんが作品から退場したときにドラマ自体が終了となってもおかしくなかったはず。それでもドラマは継続し、『相棒』のメインは完全に水谷さんへと譲られたのです」(前出・芸能関係者)
『相棒』は、寺脇の存在があったからこそ水谷の代表作となったといえるだろう。
「不遇の時代を過ごしていた水谷さんは、再びヒット作を出すきっかけを作ってくれた寺脇さんに感謝の思いがあるのでしょう。そういった恩返しの気持ちも込めて、寺脇さんを5代目として指名したのかもしれませんね」(前出・ドラマ関係者)
14年ぶりの共演となるが、ツーカーの演技が期待できそうだ。
「水谷さんが寺脇さんに5代目相棒の依頼で電話した後、2人で食事にも行ったそう。『相棒』の終結をどのように演じるか話し合ったようです」(前出・芸能関係者)
再びタッグを組む右京&亀山。“22年前の原点”を礎に、どんな集大成を見せてくれるのだろうか。