■『ちむどん』起死回生策は「ダメ男2人の大更生」
「辛辣な言い方をしますが、ドラマにかける思いがあったとしても、反映されていないように感じます。酷いストーリー展開に拍車がかかっていますよね」
ドラマ内で起こるハプニングも、“マッチポンプ”的に映るそうだ。「自分で火をつけては消すといった“ボヤ”の連続ですね」(影山教授)
前出のライターは言う。
「本作では一般の常識では考えられないことが“感動シーン”として描かれてきました。たとえば、暢子と和彦の結婚式では、暢子に振られた幼なじみの砂川智(前田公輝・31)がしぶしぶ出席する事態に。そのうえ、スピーチまでも強制され、視聴者の間では物議を醸したことも記憶に新しいところです」
そのような“共感できない”朝ドラの制作方針に、影山教授はこう苦言を呈する。
「NHKには、『あなた方は受信料をもらっている公共放送でしょ』と言いたいですね。民放ならまだしも、視聴者の突っ込みが相次ぐようなドラマ作りに、NHKはあまり手を染めないほうがいいんじゃないかなと思います。視聴者のなかには、『お金を払ってまでこんなドラマは見たくない』と感じる人もいるでしょう」
とはいえ、『ちむどんどん』の局内評は、視聴者ほど悪くない。
「本作の制作チームが局内表彰されたのです。同局の視聴アプリ『NHKプラス』の利用者増加に貢献したとして、高く評価されました」(前出・NHK関係者)
連日ネットニュースでも話題に上るなど、前代未聞の批判が目につく本作。だが、ラストスパートでは、起死回生の“秘策”を温めているというのだ。
「多くの視聴者が気をもむ賢秀が、ついに心を入れ替えるのです。賢秀が暢子の窮地を救うといい、彼の恋模様も見どころのようです。さらに、『フォンターナ』を突然辞めた暢子の元同僚・矢作知洋(井之脇海・26)も再登場します。過去には店の権利証を持ち逃げするトラブルを起こしましたが、最後は暢子にいい影響を与える存在になりそうです」(前出・NHK関係者)
“ダメ男2人”を更生させる作戦は、果たして吉と出るかーー。8月19日の放送回では、暢子が開く沖縄料理店の名前が「ちむどんどん」だと判明。通常、朝ドラのタイトルの由来が判明すると盛り上がるものだが、反応はイマイチ……。影山教授は言う。
「もう視聴者を右往左往させないでという気持ちです。爆発にもなっていない“ボヤ騒ぎ”ばかりのドラマでしたけど、最後はしっとりとなだらかな大きな山を描いてほしいですね」
朝ドラを愛する私たちの声にNHKは耳を傾けてくれるのかーー。