■TBSとは俳優デビュー前から縁が
香川とTBSとの関係は、なんとデビュー前から始まっている。東京大学4年生当時には、TBSのドラマ制作現場のADを務めていたこともあるのだ。
彼は’15年にラジオ番組で当時のことをこう語っていた。
「この世界に入ったことなかったんで、ちょっと母親に頼んだら、石井ふく子先生に頼んで。『ADをやってみたらどうか?』と……」
母・浜木綿子(86)が、親交のあったTBSプロデューサー・石井ふく子さん(96)に息子のことを頼んだというのだ。
前出のテレビ局関係者はこう明かす。
「実は浜さんは、香川さんの芸能界入りには大反対でした。そこで石井さんに相談して、『芸能界の現場の過酷さを知ればあきらめてくれるのでは』という結論に達したのです。
実際、現場では泉ピン子さんによくしかられていたのだとか。でもそんな母心が裏目に出てしまいました。香川さんは『ADはつらすぎる。役者としてドラマに出るほうが楽なのでは……』と考えるようになってしまったのです」
’88年、当時22歳の香川は石井さんがプロデュースした単発ドラマ『空き部屋』でストーリーの鍵を握る青年役を好演。このドラマはいまもTBSの名門枠とされる『日曜劇場』の作品だった。
それから34年、近年は『半沢直樹』シリーズや『99.9-刑事専門弁護士-』シリーズなどに出演し、“ミスター日曜劇場”とまで呼ばれるようになっていたのだが……。
TBS関係者が嘆息する。
「『THE TIME,』への起用は、香川さんとウチの長い信頼関係があってこそのものでした。特に報道部門関係者の間では、『なぜ司会就任前に、ホステスとのトラブルについて報告していなかったのか』と、香川さんへの批判の声が上がっています。なかには『当分は出入り禁止にするべき』という意見も出ています。
香川さんもメイン司会の安住紳一郎アナウンサーに『迷惑をかけてしまって申し訳ありません』と、電話で謝罪したと聞いています」
またドラマ部門関係者の動揺も大きいという。
「昨年10月の『東京ドラマアウォード2021』授賞式には『半沢』の演出を担当した福澤克雄監督が出席し、『できれば半沢直樹が頭取になるくらいまでやってみたい』とコメントしていたのです。しかし香川さんを起用しないとなれば、その構想もかなり厳しくなってしまいます」
本誌が「香川氏のTBS出入り禁止は事実なのか」「『半沢直樹』続編制作構想は白紙に戻ったのか」と、2点について質問状を送ったところ、TBS広報部からはいずれについても《事実ではありません》という回答が。
だが前出のテレビ局関係者はこう語る。
「香川さんは、10月スタートの日曜劇場『アトムの童』にも主人公の“敵役”として出演予定でした。すでに収録もスタートしていますが、降板が決まったと一部スポーツ紙などで報じられています」
社会派ドラマも多いTBSでは事実上の“出演禁止”状態になってしまったという香川。
『THE TIME,』の録画映像では5回頭を下げていたが、この状況を打開するためには“大和田常務”ばりの土下座も辞さない覚悟が必要になるかもしれない。