91年の紅白歌合戦に出場したDREAMS COME TRUE 画像を見る

住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、カラオケで歌った曲の話。活躍する同世代の女性と一緒に、“’90年代”を振り返ってみましょうーー。

 

「DREAMS COME TRUE(以下ドリカム)が日本を代表する音楽グループであることに異論の余地はないでしょう。’80年代、ベーシストの中村正人さんが参加していたとんねるずのバックバンドに、吉田美和さんがコーラスとして入ったことも、活動開始のきっかけのようです」

 

そう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(54)。

 

吉田、中村、そしてキーボードの西川隆宏(’02年脱退)とともに’88年にバンドを結成。渋谷や六本木を中心にライブ活動を始めた。

 

「女性1人に男性2人という構成は、“ドリカム編成”と言われ、その後もEvery Little Thingやいきものがかりらが続きました」

 

ドリカムはデビュー時の’89年、シングル『あなたに会いたくて』と、アルバム『DREAMS COME TRUE』を同時発売。

 

「同年のセカンドアルバムに収録された『未来予想図II』や『うれしはずかし朝帰り』(ともに’89年)で、その名が知られたと言えます」

 

■ドリカム人気と株価上昇には相関関係が

 

当時はバブル全盛期。“ブランド服を着て高級店でデート” “カッコいい車に乗る彼氏”といった拝金主義に疲れた人も多かった。

 

「一方で“本当の恋愛って何?”とモヤモヤしていた女性に、『未来予想図II』で描かれたピュアな気持ちが響いたのだと思います。ドリカムの特徴といえば、ユーミンと同じく、具体的な情景が浮かび上がるほど、深い共感を呼ぶ歌詞。そして邦楽とは思えないほどソウルフルな吉田さんのボーカルではないでしょうか」

 

だからこそ、カラオケボックスでは、歌に自信がある人ほどドリカムの歌に挑戦した。

 

その吉田の魅力がより引き出されたのが、深夜の音楽バラエティ番組『うれしたのし大好き』(’92~’93年・フジテレビ系)。

 

「ドリカムにとって初のレギュラー番組。歌のコーナーでは、吉田さんが昔の演歌に挑戦したり、メンバーそろってコントを披露するなど、素の部分を見られることで話題に。同番組が金曜夜に放送されていたために使用されたオープニング曲『決戦は金曜日』(’92年)も、大ヒットしました」

 

そして続く『LOVE LOVE LOVE/嵐が来る』(’95年)は、およそ250万枚のセールスを記録し、その人気が不動のものに。

 

「’07年、大和総研はドリカム人気と株価上昇の相関関係を発表。希望を持てるドリカムの歌詞が人々を元気にし、景気にもプラス効果を与えるのかもしれないですね」

 

【PROFILE】

牛窪恵

’68年、東京都生まれ。世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系)など多数の番組で活躍

マーケティングライター、世代・トレンド評論家

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