「子供のころからずっと『NHK紅白歌合戦』で見続けてきた演歌歌手たち。私にとって、かつては休憩タイムになりがちだった演歌の時間が心地よくなってきたのは、四十を過ぎてからでした。演歌歌手の圧倒的な歌唱力、表現力のすごさに目覚めた今、もっと演歌のことを知りたくなり、このたび、大晦日の名物特番の収録現場に行ってきました」
こう話すのは、“視聴者を絶対に裏切らない名曲”がたっぷり聴ける特番『第55回 年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)の収録を観覧した、テレビウォッチャーの森田オタ美さん(40代)。アイドルオタクを卒業し、次なるターゲットを模索中だという森田さんが気になった歌手は誰か――。「大人の色気」「セクシーさ」という視点から、初心者でも楽しめる演歌歌手の魅力を語ってもらいました。
まず名前が挙がったのは、来年からの歌手活動休養を発表した氷川きよし(45)。
「“Kiina”という愛称で活動する、今の彼のほうが断然好き。演歌界のスーパーアイドルの頃とは違った魅力を感じます。タキシードにハイヒールを合わせていて『すてき!』と思わず心の中で叫びました。美しいビジュアルや歌唱力はもちろんですが、“自分”を見つけながら表現していく姿は、セクシーそのものだと思います」(森田さん、以下同)
美しい着物姿も演歌の魅力だが、大人ならではの色気を纏っていたのは……。
「大月みやこさん(76)と藤あや子さん(61)です。大月さんは、歌声を聴いてまず『色気がすごい!』と思いました。“艶っぽい”という言葉が軽く感じるくらい。年齢を重ねた色気とも違う、凄みのようなものを感じました。猫を大切に飼っている方というイメージだった藤さんも、それは色っぽいステージでした。女性の柔らかさやしなやかさに加え、大人のエロさも感じたのは、今年“還暦ビキニ”を収めた写真集を出したからでしょうか」
八代亜紀(72)の存在も忘れてはいけない。
「ふわふわとつかみどころのないトークの感じと、ハスキーボイスでビシッと歌い上げる姿がまるで別人のように違いました。八代さんならではのきらびやかな衣装もすてき。インターネット上でメタバースライブをしたという話も。新しいことに挑戦されるのも輝く秘訣なのかもしれません」
そして“セクシーの大穴”として大江裕(33)の名前が挙がった。
「いつの間にか大人になっていてびっくり。歌声が私のツボで、歌唱力も抜群。自分でも驚きましたが、気づけばドキドキしてました。“さぶちゃんみ”も出てきているのではないかと思うのですが、どうでしょう?」
“演歌は紅白で見るもの”だったという森田さんだが、「演歌歌手排除ともとられかねない人選が賛否を呼んでいる紅白を見るより、“年忘れ”で演歌をたっぷり聞いたほうが年末感を堪能できると思います。やはり、大晦日は演歌を聞くもの。今年も日本酒を飲みながら、あの“しっぽり感”で年を越したい気持ちが強くなりました」と続ける。
「ただ今回、それはもう豪華な出演者たちを怒涛の数時間で見たので、情報処理が追いついていません(笑)。でも、オタク心は十分にくすぐられました。大晦日の放送を見て復習しながら、これからも演歌の魅力を探っていきたいと思います」
演歌は歴史が深い分、“深い沼”が待っていることだろう。
「第55回 年忘れにっぽんの歌」はテレビ東京系で12月31日(土)午後4時~午後10時まで。怒涛の6時間、日本の名曲が楽しめる。