木村は信長の魅力について、
「本当だったら伝統だったり文化だったりが重んじられるところを、『いや、ダサいものはダサい』と言える。ある意味、パンクだと思う」(「ぴあ」1月23日配信)
と語っているが、
「信長を“パンク”と表現するなんて、独特ですよね。木村さんにとって信長はロックスターのような存在なのかもしれません」(前出・映画関係者)
岡田はそもそもが“歴史オタク”としても知られている。
「岡田さんは小学2年生のころに『聖徳太子が10人の話を同時に聞いた』という逸話を知って以来の歴史好き。歴史上の重要人物である信長はいつかは演じてみたい役柄だったとか。
大河ドラマ『軍師官兵衛』(’14年)では主演を務めましたが、信長も官兵衛を重用していたといわれています。官兵衛にとってのキーパーソンをまた別の大河ドラマで演じるのは、感慨深いものがあったでしょう」(前出・NHK関係者)
信長と岡田には共通点があると、前出のドラマ関係者は力強く語る。
「信長は無類の日本刀好きとして知られ、500振り以上の刀を持っていたそうですが、岡田さんも実は刀好き。主演・土方歳三を演じた映画『燃えよ剣』(’21年)では、共演者に殺陣の指導もしていました。
また信長は茶の湯を愛していたとも伝えられていますが、岡田さんは茶道にも詳しいのです。茶道を通して、“和敬清寂”という、主人と客が互いを敬う心を学びたいと話していました。
これだけ信長と似通った部分があるなんて、演じるのにぴったりですよね」
木村も、信長には不思議な縁を感じているという。
「織田家の家紋は織田木瓜と呼ばれるものですが、木村さんは幼少期に時代劇を見て、木村家の家紋と同じだと知ったそうなのです。
また、今回の映画の撮影中に木村さんは49歳になりましたが、信長が本能寺の変で自害したのも、数えで49歳のときのことでした。
こうした偶然に、木村さんは信長に親近感を抱いていたそうです。木村さんの信長愛に影響され、周囲のスタッフも“信長さん”と、敬称付きで呼ぶようになりました」(前出・映画関係者)
演じる役との共通点があると、そのぶん役への愛情も深まる。木村と岡田も、演じるなかで織田信長への“ラブ”は膨らむばかりだっただろう。それぞれの信長像で天下をつかむ!