長年多くの視聴者を惹きつけ、今や定番となっている医療ドラマ。昨年末も『Dr.コトー診療所』の16年ぶりとなる続編が劇場版として公開され、今年も『TOKYO MER』が映画化されるなど、根強い人気を誇る。毎クール楽しみにしている人も多いが、中には視聴者の期待に応えきれなかった作品も……。
そこで本誌は、2000年以降に放送された医療ドラマで「がっかりした作品」についてアンケートを行った(2月8日~2月15日)。
残念ながら多くの視聴者が「がっかり」してしまった医療ドラマは……?
3位は、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)。米倉涼子(47)演じる天才外科医・大門未知子が、どんなに困難な手術をも成し遂げる、痛快医療ドラマだ。2012年から10年間、計8クール放送されるなど長期的なヒットを記録。大門の「私、失敗しないので」という決めゼリフは、彼女の芯の強さを象徴する、本作の代名詞ともなっている。
視聴者からは《こんなスーパードクターは実際ないから》(20代女性/専門職(医師等の医療関連の専門職))《実際とかけはなれている感が否めない》(50代男性/無職)など、医療現場とのギャップを指摘する声が。また、《絶対に失敗しないことなんてないから》(30代女性/会社員)や《流行らそうとしているというわざとらしい感じに見えた》(50代女性/パート・アルバイト)などいったあまりのスーパードクターぶりに白けてしまう人もいたようだ。
「がっかりした作品」の3位となってしまった『ドクターX~外科医・大門未知子~』だが、本誌が同時に行った「好きな医療ドラマ」アンケートでも3位に選ばれている。10年間のロングラン作品だからこそ、それだけ多くの人々が視聴し、好みが分かれたということかもしれない。
続いて2位となったのは、2022年放送の『ドクターホワイト』(フジテレビ系)。主演の浜辺美波(22)が演じたのは、社会性も無く出生も不明だが天才的な診断能力を持つ謎の女性。その診断力を活かし、各科の専門知識を集結させて患者の病名を判別する医療チーム・CDTの一員として、医師の誤診を見抜き患者の命を救っていく。患者の病名の追求と、彼女自身の成長や謎の解明の双方を描いた医療ドラマである。
謎に包まれた女性・雪村白夜にスポットが当たる分、《医療の話だけじゃなくて複雑で理解するのが難しかった》(10代女性/学生)と、入り組んだストーリーについていけない人が。加えて、医療知識に特化しているとはいえ、社会性に欠ける雪村が「それ、誤診です!!」と診断を下す展開に、《設定に無理矢理感があった》(40代女性/パート)と感じてしまう視聴者がでてしまった。
そして不名誉にも1位に選ばれてしまったのは、現在放送中のドラマ『Get Ready!』(TBS系)だ。莫大な治療費と引き換えに現代医療では治療することのできない患者を救うことのできる闇の天才執刀医・エースを演じるのは妻夫木聡(42)。“生き延びる価値はあるのか?”という基準で患者を選ぶなど、現代社会に生きる意味を問うヒューマン医療ドラマだ。妻夫木演じるエースは藤原竜也(40)や松下奈緒(38)などと闇医者チームを組み、仮面で正体を隠しながら活動している。
多額の治療費を要求する設定や、執刀医エースが黒髪に一部銀髪を入れていることもあり、一部からは《ブラックジャックのまねみたい》(50代女性/会社勤務)と人気漫画との設定かぶりを指摘する声が。《医療ドラマならではのリアリティに欠け、感情移入できない》(60代男性/無職)、《キャストはすごく良いのに、物語が現実味がなくて、事前のイメージほどハラハラドキドキもしなくなった》(50代女性/パート・アルバイト)など、実際の医療とは異なる施術や、ストーリーのテンポに対する批判も多く寄せられた。
実際の医療現場を想定するからこそ、複雑な設定や、現実離れした医療ドラマにがっかりしてしまう視聴者が多かったようだ。
最終結果はこちら。
【医療ドラマの中で、「がっかりした」作品は?】(複数回答可)
1位:『Get Ready!』12.61%
2位:『ドクターホワイト』6.96%
3位:『ドクターX~外科医・大門未知子~』6.52%
4位:『Dr.コトー診療所』6.09%
5位:『ザ・トラベルナース』5.65%
※セルフアンケートツール「QiQUMO」とTwitterで実施