6月27日に、母の自殺を手助けした自殺ほう助の疑いで逮捕された市川猿之助容疑者(47)。逮捕の余波は広がり続けている。
猿之助容疑者はその高い演技力で、歌舞伎界からはもちろん、テレビや映画界からも引っ張りだこ。これまで『半沢直樹』(TBS系)やNHK大河『風林火山』など数々の話題作に出演してきた。
しかし、今回の逮捕を受けて28日にNHKは有料配信サービス「NHKオンデマンド」で配信していた猿之助が出演していた8番組の配信停止を発表。昨年好評を得た大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本を担当していた三谷幸喜氏は、7月1日放送の『情報7days ニュースキャスター』の中で、「いろんな事情があるのはわかる」とした上で、「ただ、何か容疑者でしょ、今のところ。刑が確定したなら分かるんだけど、容疑者の段階でそこまでしちゃうのかなって、少し理不尽な感じはしますけどね」と語っていた。
そんななか、直近で最も大きなあおりを受けている猿之助の出演作がテレビ朝日が誇る人気シリーズ『緊急取調室』だ。天海祐希が主役を務め、14年にFIRST SEASONが放送されるとたちまち人気を集め、これまで4シリーズが制作されている。そして、6月16日には完結作となる映画『劇場版 緊急取調室 THE FINAL』が公開される予定だったが……。
「もともと劇場版は昨年の公開を予定していましたが、昨年7月の安倍晋三元首相銃撃事件を受けて今年に公開が延期。満を持して公開というところでしたが、直前に猿之助容疑者の心中騒動が起き、6月1日に『総合的な判断』として公開延期が発表されました」(スポーツ紙記者)
猿之助容疑者が逮捕を受けて、撮り直して改めて公開するとする一部報道もあるが、実際はかなり難しいようだ。テレビ朝日の関係者は言う。
「テレ朝屈指の人気シリーズの完結編ですし、局側もどうにかして撮り直してきちんと公開したいという気持ちはあります。ただ、猿之助さんは今回の主要キャラクターですから、脚本を書き直し、撮り直しではなくもう一度イチから作る必要があります
さらに、主役の天海さんをはじめ、佐々木蔵之介さんや小日向文世さんなど出演者も多忙な人ばかり。そもそもスケジュールがいつ揃うかわかりませんし、スタッフも以前と同じテンションで撮影するのは難しいでしょう。
そして、猿之助さんが逮捕されたことで、作品へのネガティブイメージはますます強くなってしまいました。そんな状況下で撮り直しを敢行するのはかなり難しく、局内からはお蔵入りが現実的という声も聞こえてきます」