市川猿之助 父の死で再逮捕なら歌舞伎界から永久追放へ…「猿之助」の名跡も封印危機
画像を見る 東京・上野にある寛永寺に段四郎さんの両親の墓が

 

■香川照之はほとんど眠らず宙乗りを

 

歌舞伎関係者は言う。

 

「猿之助さんは歌舞伎役者を引退する意向だそうです。当初、松竹側は猿之助さんが逮捕されなければ、歌舞伎役者として舞台に立つのは無理でも、演出・脚本家としての道を用意することを考えていたようですが、逮捕によって事情が一変しました。

 

猿之助さんは今後、歌舞伎界から完全に退かざるをえないでしょう。もう猿之助を名乗ることもできなくなり、以後は本名・喜熨斗孝彦として別の人生を歩むことになります。澤瀉屋の今後については、トップの猿翁さんは病気のため事件について判断できる状態ではないと聞いているので、中車さん(香川照之)の意向も聞き、松竹が総合的に判断することになるでしょう」

 

7月の歌舞伎座での「七月大歌舞伎」で、中車は猿之助容疑者の代役として宙乗りに初挑戦してる。

 

「じつは中車さんも事件後眠れず、睡眠薬を常用していましたが、摂取量が過度になるのを避けるため現在はほとんど眠らずに宙乗りの稽古に必死なのです。そのため、かなりやつれていると聞いています」(前出・後援会関係者)

 

別の歌舞伎関係者は言う。

 

「猿之助容疑者が父への殺人罪で実刑となった場合は、歌舞伎界から完全追放となり、もう『猿之助』の名跡すら、おいそれと使うことはできなくなるでしょう。澤瀉屋内からも『猿之助の名跡は未来永劫、使われることのない“止め名”にしてはどうか』という話も出ているそうです」

 

歌舞伎界で“止め名”とは、諸事情により、封印された名跡のことを指す。

 

「二代続けて早く亡くなった尾上榮三郎や、初代團十郎を刺殺した生島半六など、いわくつきの名跡がそれにあたります」(前出・歌舞伎関係者)

 

演劇評論家の上村以和於さんはこう語る。

 

「尾上榮三郎や生島半六以外の“止め名”のケースでは、具体的な名前は避けますが、役者の没後、その妻だった方が『絶対にこの名前は誰にも継がせたくない』とおっしゃって、誰も襲名しない名前もあります。少なくとも今回、猿之助という名跡が“止め名”になってもおかしくはないですね。本来なら猿翁さんが決めることになるのでしょうが、お体のこともあるし、松竹も絡んでくる問題になるでしょう」

 

猿之助が“止め名”になれば、中車の息子・團子も、五代目猿之助を名乗ることはなくなる。

 

「本来、團子という名前は将来、猿之助もしくは段四郎になるべき人が若い時代にこれまで名乗ってきた名前です」(前出・上村さん)

 

團子が猿之助ではなく、段四郎として澤瀉屋を背負う選択肢は残されているようだ。

 

「そのためにも中車さんにはもっと頑張ってもらわないと困ります。幸か不幸か、香川照之としての仕事がなくなってしまっています。もうこの際、中車に専念してやってもらいたいと思います」(前出・上村さん)

 

自らの家族だけでなく、歌舞伎界全体に大きな被害を与えてしまった猿之助容疑者。今後の捜査で新事実は明らかになるのか――。

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